アパート修繕で必要な費用相場
修繕のタイミング | 費用 |
---|---|
原状回復費 | 数万から20万円 |
老朽予防の修繕 | 数万円~数十万円 |
大規模修繕 | 数100万~1000万円 |
破損個所の修繕 | 数万円~数十万円 |
アパート修繕で必要な費用は数万円〜1000万円以上と幅広く、工事内容によって異なります。
アパートのような賃貸物件は、時間の経過とともに老朽化や劣化が進むのは避けられません。現物資産である以上、自然災害や予期せぬ事故による損傷のリスクもあります。
そのためアパート経営では、どのような修繕が必要になるのか、どれくらいの頻度で費用が発生するのかを把握し、事前に備えておくことが非常に重要です。
それでは修繕が必要になるタイミングごとに、施工箇所などをご紹介します。
原状回復
原状回復とは、入居者が退去後に部屋を元の状態に戻すための工事のことです。
原状回復費用は入居時に預けられる「敷金」から差し引かれることが一般的です。
しかし、損傷が入居者の過失によるものでない場合は、オーナーが費用を負担します。
近年の民法改正(2020年施行)により入居者の行為によるものでも、日常生活で避けられない傷や劣化については原則としてオーナーが修繕を行うべきとされています。
賃貸借契約における原状回復の考え方がより明確化され、オーナーと入居者双方の負担が公正に整理されました。
補修
施工時期(修繕のタイミング) | 施工箇所 |
建物や設備が故障・破損した時 | ・壁紙の張り替え ・天井の張り替え ・ドア・建具の交換 ・窓・サッシの交換 ・キッチンの交換 ・浴室の修繕 ・トイレの交換 ・収納ドアの交換 ・照明の交換 ・コンセント/スイッチ修理 ・エアコン/換気設備の交換 ・修理 |
雨漏りや突発的な事故・災害で破損した時 | ・屋根葺き替え ・外壁の張替え ・室内(天井、壁、断熱材)工事 ・塀の工事 ・車庫周辺の工事 ・窓ガラス/サッシ/窓枠の交換 ・電気系統(分電盤、電気配線)工事 ・家電製品の買い替え |
建物の補修は賃貸物件の設備や建物に不具合が発生した際に行います。
水回り設備やエアコン、給湯器などの故障が良く起こりやすく、修繕費用は数万円から数十万円程度が目安です。
一方、雨漏りや突発的な事故・災害による破損なども生じることがあり、工事期間が長くかかったり費用がかさんだりする可能性があります。
建物の補修は、入居者の生活に直結するため迅速な対応が求められます。
定期点検や予防修繕を行うことで、突発的なトラブルを未然に防ぎ、修繕費の負担を軽減することが可能です。
大規模修繕
施工時期(修繕のタイミング) | 施工箇所 |
15年に1回の周期 | ・外壁の塗装 ・柱補強工事 ・給排水管の清掃や交換 ・屋上防水工事/ベランダの防水工事 ・駐車場やフェンスなどの外構 ・屋根の補修や葺き替え ・階段や廊下などの共用部分の修繕 |
アパート経営において、最も費用がかかる修繕は屋根や外壁などの外郭部分です。また築年数が経過した物件では、耐震補強工事が必要になるケースもあります。
そのような場合には外壁塗装や屋根の葺き替え、耐震工事など、大規模な修繕が必要になります。
雨漏りや外壁の剥落やひび割れなどが発生してから修繕を行うと、より多くの費用がかかる可能性もあるため、計画的な修繕が必要です。
予防補修
施工時期(修繕のタイミング) | 施工箇所 |
3年に1回 (もしくは入居者退去時) | ・外壁、屋根、配管の劣化診断 ・シロアリ点検 ・耐震調査 |
予防修繕とは、大規模な修繕が必要になる前に対策を行うことです。
大規模修繕も、不具合が深刻化する前に実施することから、予防修繕の一環といえます。
予防修繕では床下のシロアリ防除や屋根・外壁・配管の劣化調査など、不具合が予測される箇所を点検し、必要な対応を行います。
アパートの修繕費用と抑えるためのポイント
ここでは、修繕費を抑えるための具体的な以下の方法について解説します。
- 入居者の審査を行う
- 定期的な修繕をする
- 修繕費を含めたプランを立てる
- 火災保険をうまく活用する
- 長持ちする建材を使う
入居者の審査を行う
トラブルが多い入居者は物件を傷つけたり、修繕の頻度を増加させる原因になる可能性があります。
事前に厳密な審査を行い、家賃の支払い能力や過去のトラブル歴を確認することが大切です。
また、入居者ルールを明確にし契約時に守るべきポイントを説明することで、不適切な使い方を防げます。
定期的な修繕をする
小さな劣化や傷みを早めに修繕することで、大規模な補修が必要になるリスクを軽減できます。
たとえば外壁のヒビ割れや屋根の防水劣化を放置すると、漏水してしまい、大掛かりな修繕が必要になる場合があります。
定期点検を行い、早期対応を徹底することで、予期せぬ出費を防ぎましょう。
修繕費を含めたプランを立てる
運営収支を見直し、毎月の家賃収入から修繕費用を積み立てましょう。
今後発生し得る修繕の種類や規模を予測し、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。
とくに築年数が進むにつれて修繕費が増加するため、長期的な視点で資金管理を行う必要があります。
火災保険をうまく活用する
火災保険では火災だけでなく、自然災害による被害も補償の対象となる場合があります。
たとえば住居者が転倒してできたフローリングなどの傷や穴の補修、また飛来物による外壁の欠けやガラス割れは火災保険を適用できる場合があります。
火災保険の適用条件や補償範囲を正確に把握し、万が一の事態に備えましょう。
長持ちする建材を使う
メンテナンスが少なくてすむ素材を採用することで、修繕の頻度を減らせます。
初期費用は高くなりますが、長期的にはメンテナンスサイクルを伸ばすことで、費用対効果が高くなります。
防水性や耐久性に優れた外壁材や、メンテナンスが少なくてすむ屋根材など、施工業者と相談しつつ、修繕に使用する素材を選定しましょう。
アパートの修繕費は経費になる?
修繕費として認められるためには、一定の条件を満たす必要があります。
ここからは、経費計上に関するポイントとして以下の2点を解説します。
- 確定申告をすると修繕費は経費にできる
- 修繕費と資本的支出の区別とは
確定申告をすると修繕費は経費にできる?
アパートの修繕費は、確定申告を行うことで経費として計上できます。
修繕費は建物や設備を元の状態に戻すための費用を指しており、日常的なメンテナンスや部分的な補修が該当します。
たとえば、壁紙の張り替えや屋根の修理などは経費として計上可能です。
資本的支出は経費計上できないため注意
資本的支出とは、建物の価値を向上させたり耐用年数を延ばすための工事にかかる費用を指します。
たとえば外壁を新しい材質に変更する大規模な改修や、設備の全面的な交換などは、資本的支出とみなされます。(※この区別は修繕の目的や規模によって判断されます。)
迷った場合は、税理士などの専門家に相談して確認しましょう。
アパートの修繕費を確保する方法
計画的な資金管理や外部の金融サービスを活用し、突発的な修繕費用に備えましょう。修繕費を確保するための具体的な2つの方法は以下の通りです。
- 修繕費を積み立てする
- ローンを組む
修繕費を積み立てする
外壁や屋根の補修など大規模な修繕は一定の周期で必要となるため、修繕サイクルを見越した資金計画を立てることが重要です。
たとえば10年ごとの外壁塗装や20年ごとの屋根補修など、長期的な視点で必要な費用を見積もり、毎月の家賃収入の一部を積み立てておきます。
積み立てを行うと突発的な支出を抑えやすくなり、安定した経営を維持しやすくなります。
ローンを組む
アパートの修繕にかかる費用が高額な場合、ローンを活用する方法もあります。
大規模修繕や改修が必要な際には、自己資金だけで対応するのが難しいケースもあります。
修繕費用を目的としたローン商品には、低金利で利用できるものもあり、経営に無理のない返済計画を立てやすいです。
ローンを利用する際は修繕内容や費用の内訳を明確にし、適切な融資を選択することが重要です。
Q&A アパートの修繕費用で良くある質問
- 賃貸の修繕費は誰が持つの?
-
修繕費を負担は状況により変わります。
たとえば、自然災害や老朽化が原因の場合は大家の負担になります。
一方で入居者の過失や故意による損傷(例:壁を傷つけた場合)の場合は、入居者負担です。
- アパートの修繕における減価償却とは?
-
減価償却とは、修繕に使った費用を一定期間に分けて経費として計上する仕組みです。
たとえば、大規模な改修工事で多額の費用が発生した場合、一度に全額を経費にできるわけではありません。
税法に基づいて耐用年数に応じた分割計上が必要です。
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