目次
【種類別】マンションリフォームの費用相場
まずは、マンションで水回りや内装などのリフォームをした場合の費用相場を、種類別に見ていきましょう。
【1】水回りリフォーム
マンションの水回り設備をリフォームする際は、以下の費用相場が目安です。
ハイグレードな商品や多数のオプションを選ぶ場合は、この相場よりも高くなる可能性があります。
また、もとの位置から移設する場合は配管工事などが必要なため、別途で数十万円〜数百万円の費用が必要になる可能性もあるでしょう。
【2】内装リフォーム
マンションで内装リフォームをする際に目安となる費用相場は、以下のとおりです。
リフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|
クロス貼り替え | 1,000〜1,500円 (1平方メートルあたり) |
フローリングの張り替え | 0.8万〜2万円 (1平方メートルあたり) |
ドア交換 | 5万〜20万円 (1箇所あたり) |
内装リフォームでもグレードや機能性の高い商品を採用すると、この相場よりも高くなる可能性があります。
また、マンションでは床に防音規定がある場合が多く、防音フローリングを使わなければならないケースも。
そのためフローリング貼り替えは、戸建てと比較すると割高になる傾向にあります。
【3】フルリフォーム
マンションでフルリフォームをする際の費用相場は、300万〜1,200万円が目安です。
リフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|
フルリフォーム (間取り変更なし) | 300万〜1,000万円 |
フルリフォーム (スケルトンリフォーム) | 600万〜1,200万円 |
フルリフォームでも間取り変更をしない場合や、設備などのグレードを落とすことで費用を抑えられる可能性があります。
スケルトンリフォームの場合は、壁などすべてを取り除いた状態にして間取りなどを一から組み直すため、費用も大きくなりやすいといえるでしょう。
建物を支える柱や梁(はり)など以外すべてを取り除いて骨組み状態にしてから間取りや内装、設備を作り直す大規模なリフォームのこと。
なお、面積や商品のグレードによってはこの費用相場を大幅にこえる可能性もあるため、注意しましょう。
【空間別】マンションリフォームの費用相場
続いて、マンションのリビングや和室など、空間別にリフォームした場合の費用相場を見ていきましょう。
【1】リビング・ダイニング
リビング・ダイニングをリフォームをする場合の費用相場は、50万〜300万円が目安です。
リビングと和室を一体化するなどの間取り変更が伴う場合は、さらに数十万〜数百万円の費用がかかる可能性が高いといえます。
なお、リビング・ダイニングの広さや選ぶ商品のグレードによっても費用が変わります。
【2】和室
マンションの和室をリフォームする場合の費用相場は、以下のとおりです。
リフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|
畳の新調 | 0.9万〜3万円 (1畳あたり) |
押入れをクローゼットに変更 | 18万〜26万円 (1箇所あたり) |
和室を洋室に変更 (6畳の場合) | 45万〜78万円 |
マンションでは、和室がリビングに併設されていることが多い傾向にあります。
リビングを広く取りたい場合は、和室の壁をなくして一体化するリフォームを検討してもよいかもしれません。
【3】洋室
マンションの洋室をリフォームする場合の費用相場は、以下のとおりです。
リフォーム内容 (6畳の場合) | 費用相場 |
---|---|
クロス貼り替え | 3万〜10万円 |
フローリング貼り替え | 10万〜25万円 |
ドア・クローゼット扉の交換 | 5万〜30万円 |
フルリフォーム | 15万〜60万円 |
防音リフォーム | 200万〜500万円 |
6畳の場合、通常の洋室リフォームは100万円をこえるケースは少ない一方で、本格的な防音リフォームをする場合は数百万円と高くなる傾向にあります。
【間取り別】マンションリフォームの費用相場
マンションにはワンルームや3LDKなど、さまざまな間取りが見られます。
ここでは、マンションでフルリフォームをした場合に目安となる費用相場を、間取り別に見ていきましょう。
なお、フルリフォームは選ぶ商品などにより費用が大きく左右されます。
【面積別】マンションリフォームの費用相場
マンションでは、同じ間取りでも広さが違う場合があります。
それでは、マンションでフルリフォームする場合の費用相場を面積別に見ていきましょう。
面積 (単位:平方メートル) | 費用相場 |
---|---|
50 | 500万〜750万円 |
60 | 600万〜900万円 |
70 | 700万〜1,050万円 |
80 | 800万〜1,200万円 |
90 | 900万〜1,350万円 |
100 | 1,000万〜2,000万円 |
110 | 1,100万〜2,200万円 |
120 | 1,200万〜2,400万円 |
これらはあくまでも目安のため、リフォーム前に見積りを取ってから予算を決めたほうがよいでしょう。
>>50・60・70平米のマンションリフォームにかかる費用はこちら
マンションにおけるリフォーム費用の事例
実際のリフォーム内容を見なければ、費用感をつかむのが難しいといえます。
そこで、ここではマンションリフォームのさまざまな事例を紹介します。
【事例1】キッチン交換(300万円)
費用 | 約300万円 |
施工箇所 | キッチン・カップボード |
採用メーカー | LIXIL |
築年数 | 20〜30年 |
施工期間 | 5日 |
築20年のマンションで、LIXILのハイグレードキッチンに交換した事例です。
ハイグレードの商品を選びカップボードも設置したために高額ですが、グレードを落とすことで費用は抑えられます。
【事例2】ユニットバス交換(85万円)
費用 | 約85万円 |
施工箇所 | 浴室 |
採用メーカー | LIXIL |
築年数 | 30〜40年 |
施工期間 | 3日 |
こちらは、マンションでユニットバスを交換した事例です。
リフォーム前は給湯器が浴室内部に設置されていましたが、外部に新設した上でユニットバスを交換。
また、配管も劣化が見られたため交換しています。
浴室や給湯器、配管を交換していますが、標準グレードのため費用が抑えられています。
【事例3】トイレ交換(20万円)
費用 | 約20万円 |
施工箇所 | トイレ・クッションフロア |
採用メーカー | LIXIL |
築年数 | 20〜30年 |
施工期間 | 1日 |
トイレが壊れたため、交換リフォームをした事例です。
トイレはほかの水回りと比較して施工範囲が狭くなる場合が多く、1日で済む場合が多いといえます。
【事例4】洗面化粧台交換(20万円)
費用 | 約20万円 |
施工箇所 | 洗面台・洗面所 |
採用メーカー | TOTO |
築年数 | 10〜20年 |
施工期間 | 2日 |
洗面化粧台とともに、洗面所のクロスやフローリングも交換した事例です。
広さや商品のグレードによりますが、洗面化粧台単体では20万円程度でのリフォームも可能といえます。
【事例5】水回りリフォーム(620万円)
費用 | 約620万円 |
施工箇所 | キッチン 浴室 トイレ 洗面台 |
採用メーカー | TOTO |
施工期間 | 2カ月 |
マンションで、水回り設備を一式交換したリフォーム事例です。
ハイグレードな設備を採用したことと、汚れやすい箇所にパネル材を貼ったことなどから高額なリフォームとなっています。
【事例6】マンションのフルリフォーム1(1,250万円)
費用 | 約1,250万円 |
施工箇所 | フルリフォーム |
面積 | 82平方メートル |
築年数 | 20〜30年 |
施工期間 | 3カ月 |
マンションで、水回りや内装などのフルリフォームをした事例です。
1,000万円以上の予算があれば、この事例のように希望する空間が実現しやすいといえます。
【事例7】マンションフルリフォーム2(500万円)
費用 | 約500万円 |
施工箇所 | フルリフォーム |
面積 | 60平方メートル |
築年数 | 40〜50年 |
施工期間 | 1カ月 |
こちらも、マンションで水回りや内装を一新したフルリフォームの事例です。
築40年と古いですが、部屋に入れば新築と同様の仕上がりに。
予算500万円でも、おしゃれな空間にフルリフォームが可能といえるでしょう。
【事例8】間取り変更リフォーム(550万円)
費用 | 約550万円 |
施工箇所 | LDK |
施工期間 | 2カ月 |
和室を縮小して、LDKを広く間取り変更リフォームをした事例です。
この事例のように、日常生活で利用頻度の高い空間のみリフォームするのもおすすめです。
マンションリフォームの注意点
マンションリフォームをする場合、管理組合への申請やリフォームの制限など事前に確認しなければならないことがあります。
ここからは、マンションリフォームをする際の注意点を見ていきましょう。
【注意点1】共用部はリフォームできない
マンションにおいて専有部分はリフォームできる場合がほとんどですが、共用部分はできない可能性が高いといえます。
室内側はほとんどが専有部分ですが、窓や玄関ドアは共用部分にあたるためリフォームする際は注意しましょう。
【注意点2】管理組合へ申請する必要がある
専有部分をリフォームする場合でも、事前に管理組合に申請しなければなりません。
リフォームを含めたさまざまなルールがまとめられた管理規約がマンションごとにあるため、管理組合に申請する前に確認しておきましょう。
規約を守らなければ、最悪の場合リフォームした部分をもとに戻す必要などがあるため注意しましょう。
【注意点3】制限されやすいリフォームがある
水回り設備の移設や間取り変更などのリフォームは、制限されるケースがあります。
水回り設備を移設する場合は配管を延長したり移設したりする必要がありますが、マンションの構造や管理規約によってはできない場合もあるでしょう。
また、建物を壁が支える構造の場合は壁の撤去ができないため、間取り変更も制限されるといえます。
リフォーム前に管理規約の確認や施工業者への相談をして、制限されるものがないかを把握しておきましょう。
【注意点4】水回り設備の設置位置を考慮する
下の階に音が響くなどの影響を避けるため、水回り設備は設置位置を考慮しなければなりません。
特にトイレは流す際の音が響きやすいため、設置位置の入念な確認が必要です。
トラブルを防ぐためにも、リフォームする部分だけでなく周囲に与える影響も考慮しておきましょう。
【注意点5】あらかじめ近隣への挨拶を済ませておく
リフォーム前に、近隣への挨拶を済ませておきましょう。
施工業者側で挨拶するケースも多いですが、自身でも挨拶しておくとトラブル防止につながりやすいといえます。
工事中は騒音が発生する可能性が高いため、最低限両隣と上下階には挨拶しておきましょう。
【注意点6】工事期間を把握する
マンションリフォームをする際、事前に工事期間を施工業者へ確認しておきましょう。
施工内容によっては、1カ月以上の工事期間が必要な場合があります。
また、スケルトンなどのリフォームは仮住まいが必要になることも。
マンションリフォームをする際の目安となる工事期間は、以下のとおりです。
リフォーム内容 | 工事期間 |
---|---|
キッチン交換 | 2〜3日 |
浴室交換 | 2〜3日 |
トイレ交換 | 1〜2日 |
洗面台交換 | 1〜2日 |
フローリングの張り替え | 2〜3日 |
クロスの貼り替え | 1〜3日 |
間取りの変更 | 1週間〜3週間 |
フルリフォーム | 2週間〜3カ月 |
なお、複雑なリフォームが増えればこの工事期間を大幅にこえることもあります。
リフォーム内容によっては仮住まいも必要なため、あらかじめ工事期間を確認しておきましょう。
マンションリフォームのポイント
マンションリフォームをする際は、できるだけスムーズに進めていきたいものです。
ここでは、マンションリフォームをする際のポイントを解説します。
【ポイント1】リフォーム箇所を明確にする
リフォームする箇所を明確にしておくことで、工事をスムーズに進めやすくなるでしょう。
どの部分をリフォームするのかがまとまっていない場合は、決めるべきポイントがわからず打ち合わせに時間がかかってしまうことがあります。
水回り単体の交換などは問題がありませんが、複数箇所を考えている場合はどこをリフォームしたいのか明確にしておきましょう。
【ポイント2】各部位のメンテナンス時期を把握しておく
内装や設備など各部位の耐用年数をもとに、それぞれのメンテナンス時期を把握しておいたほうがよいでしょう。
メンテナンス時期を把握しておくことで、リフォームに向けての計画が立てやすくなるといえます。
各部位の目安となる耐用年数は、以下のとおりです。
部位 | 耐用年数の目安 |
---|---|
キッチン | 15〜20年 |
浴室 | 15〜20年 |
トイレ | 15〜20年 |
洗面台 | 15〜20年 |
給湯器 | 10〜15年 |
フローリング | 20〜25年 |
内装ドア | 20〜30年 |
壁紙 | 10〜15年 |
15年経過後から、さまざまな部位でメンテナンスが必要になる可能性が高くなります。
あらかじめメンテナンス時期を把握しておき、スムーズにリフォーム計画を建てられるようにしておいたほうがよいかもしれません。
【ポイント3】リフォームの予算を明確にする
リフォームする際は、予算を明確にしておきましょう。
内装や設備はさまざまなグレードや機能があるため、予算を決めておかなければどんどん金額が上がっていきます。
リフォームする箇所ごとに予算を決めておくと、商品が選びやすくなり打ち合わせもスムーズに進めやすくなるといえます。
【ポイント4】ライフスタイルに合わせてリフォームする
デザインや機能性だけでなく、自身の生活環境に合わせてリフォームしたほうがよいといえます。
デザインや機能性を重視しすぎた結果、日常生活が不便になってストレスを抱えることも。
たとえば、日常で使う食器が少なければメンテナンスに手間のかかる食器洗い乾燥機はいらないかもしれません。
また、調味料や調理器具をキッチンのカウンターに置いている場合は、アイランドキッチンにすると見栄えが悪くなってストレスを感じる可能性もあるでしょう。
自身にストレスがかからないような視点を持ち、ライフスタイルに合ったリフォームをしましょう。
【ポイント5】経験豊富な業者を選ぶ
マンションリフォームの経験が豊富な業者を選ぶことで、打ち合わせや工事がスムーズに進められる可能性が高まるでしょう。
戸建てとマンションでは構造が違うため、使用する材料や工事方法が変わることもあります。
たとえば、マンションの床は防音規定が定められていることが多く、専用のフローリングを使用しなければならない可能性が高いといえます。
ほかにも、管理規約で定められているリフォームの範囲やルールなどがあるため、マンションリフォームに慣れた業者のほうがよいでしょう。
マンションリフォームで費用を抑える方法
マンションリフォームを考えたとき、限られた予算があってもできるかぎり希望はかなえたいもの。
そこで、ここではマンションリフォームで費用を抑える方法を見ていきましょう。
【方法1】設備や内装のグレードを下げる
マンションリフォームで費用を抑えたい場合は、水回り設備や内装のグレードを下げるとよいかもしれません。
特にキッチンや浴室においては、ハイグレードと標準グレードで数十万円〜数百万円の差がつくこともあります。
また、フローリングやドアなどの内装もグレードを下げることで、費用を抑えられる可能性が高まるといえるでしょう。
予算が厳しい場合は、水回り設備や内装のグレードを下げることも選択肢のひとつとして検討しましょう。
【方法2】補助金・助成金制度を活用する
マンションリフォームでは、以下のような補助金や助成金制度を活用できる可能性があります。
- 給湯省エネ2024事業
- 子育てエコホーム支援事業
- 先進的窓リノベ2024事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
それぞれ条件はありますが、活用できればリフォーム費用を抑えられます。
自治体ごとに補助金や助成金制度が用意されている場合もあるため、活用できるものがないかリフォーム前に施工業者などに相談しながら進めていくとよいかもしれません。
【方法3】リフォームする箇所の優先順位を決める
リフォームする箇所の優先順位を決めておくことで、予算内におさめやすくなるといえます。
優先順位が決まっていなければ、どの部分にもオプションを詰め込んで大幅に予算オーバーする可能性があるでしょう。
たとえばキッチン1つでも、デザイン性か機能性どちらを重視するのかを意識するだけで適切なプランニングができる可能性が高くなります。
マンションリフォームの際は、全体とそれぞれの箇所ごとで優先順位を決めておくことをおすすめします。
【方法4】複数の業者に見積りを依頼する
マンションでリフォームする際は、複数の業者に見積りを依頼しましょう。
1箇所だけのリフォームでも業者ごとに費用が変わりますが、全体となるとさらに差が広がる可能性があります。
また、フルリフォームでは相場感をつかむのが難しいといえます。
複数の業者に見積りを依頼することで相場感をつかめ、適切な価格でのリフォームがしやすくなるでしょう。
【Q&A】マンションリフォームの費用相場に関するよくある質問
- マンションのフルリフォームは300万円でできる?
-
間取りを変更せずに設備や内装のグレードを下げれば、300万円でフルリフォームができる可能性はあります。
ただし、デザインや機能面での希望をかなえることや、面積が60〜70平方メートルをこえる場合は難しくなるでしょう。
- マンションリフォームの費用相場の平均は?
-
マンションリフォームの費用相場は、500万〜600万円が平均です。
ただし、リフォーム範囲や選ぶ設備などにより大幅に変わるため、あらかじめ見積りを取るようにしましょう。
- 築20年のマンションリフォームの費用相場は?
-
築20年のマンションリフォームの費用相場は、60万〜400万円が目安です。
設備の耐用年数は20年程度のケースが多いため、築20年は水回り設備の総入れ替えを検討する時期といえます。
- 築30年のマンションリフォーム費用相場は?
-
築30年のマンションリフォームの費用相場は、180万〜700万円が目安です。
ただし、デザインや機能性などの希望を詰め込んだフルリフォームをする場合は、1,000万円をこえることも珍しくありません。
- タワーマンションのリフォーム費用は?
-
タワーマンションでフルリフォームをする場合の費用相場は、1,250万〜3,300万円が目安です。
タワーマンションのリフォーム費用相場面積の目安
(単位:平方メートル)費用相場 50〜70 1,250万〜2,100万円 70〜90 2,100万〜2,700万円 90〜110 2,700万〜3,300万円 ただし、設備や内装のグレードを上げる場合は、さらに費用が高くなる可能性があります。
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