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【木造住宅の外壁塗装】プロが選ぶべき塗料2タイプと特徴
木造住宅の外壁塗装に適した塗料には、「浸透タイプ」と「造膜タイプ」の主に2種類あります。それぞれ特徴や機能性が異なるため、使用目的や仕上がりイメージに合わせて使い分けが可能です。ここでは、浸透タイプと造膜タイプの特徴と、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
【種類1】浸透タイプ
浸透タイプは、塗料成分が木材の内部にしみ込み、内部から保護する性質を持った木部用塗料です。
表面に塗膜をほとんど形成せず、木材にしっかり浸透するため、木材が持つ湿気を吸ったり吐いたりする性質(木の呼吸)を妨げにくいのが特徴です。また、木目がはっきりと見える仕上がりになるため、自然な風合いを保ちたい方に適しています。
ただし、造膜タイプと比べると耐久性はやや劣ります。雨風や紫外線にさらされると色落ちしやすいので、こまめなメンテナンスが必要になる点に注意が必要です。
【種類2】造膜タイプ
造膜タイプは、木材表面に強固な塗膜を形成し、外部からのダメージ軽減を重視した木部用塗料です。
雨水や紫外線を遮断しカビや腐朽菌による劣化を抑える効果が高い一方で、木の外壁を造膜型塗料で覆うと、木材の通気性や湿気を調整する能力(調湿性)が低下することおそれもあります。
適切な下地処理と塗料を選べば、造膜タイプで問題ないケースも多く見られます。また、逆に調湿性を重視しすぎるあまり、耐久性や防汚性が犠牲になる可能性もあるため注意しましょう。
また、自然な木目の質感が損なわれやすいため、機能性だけでなく仕上がりイメージなどを総合的に考慮して選ぶことが大切です。木の模様を消したくないなら、クリヤー(透明)の塗料を検討しましょう。
造膜タイプのクリヤーは木目を活かしつつ表面を保護したい場合に、浸透タイプのクリヤー(透明)は木材本来の質感を最大限に活かしたい場合に選択しましょう。
最新の製品では、木材の呼吸をある程度確保しながら防水性を発揮し、浸透性の良さと造膜タイプの保護力を併せ持つハイブリッドタイプも開発されています。ただし、造膜タイプはDIYでの利用が難しいため、塗装する際は専門家への依頼をおすすめします。
【木造住宅のSOSサイン!】外壁塗装が必要な5つの劣化症状と見分け方
木造住宅を長持ちさせるためには、適切な頻度で外壁塗装の塗り替えを行うことが重要です。目安としては10年ごとが塗り替え時期の目安となります。
外壁の塗り替え時期は築10年が目安とされていますが、これはあくまで一般的な目安にすぎません。建物の日当たりや地域の気候(多雨、多雪、塩害地域など)、前回の外壁塗装における工事の品質などによって劣化の進行速度は大きく変わります。そのため、外壁の塗り替え時期はあくまで目安であり、症状に応じた判断が重要です。
外壁には、さまざまな劣化のサインがあります。早い段階で外壁の劣化や損傷を発見し対処することで、結果的に塗り替え時の費用を抑えることにもつながります。
【症状1】カビや汚れがある
外壁が劣化すると水分がつきやすくなり、それがカビやコケの発生などの汚れにもつながります。日当たりや風通しが特に悪い箇所は、カビやコケが発生する可能性も高くなるでしょう。
【症状2】チョーキング現象が起きている
チョーキング現象とは、外壁の表面をこすった時に、チョークの粉のような白い粉がつく現象のことです。外壁塗料が劣化し、防水効果がなくなるとチョーキング現象が起こります。
手でさわると白い粉が付着するため、比較的簡単にセルフチェックが可能です。
【症状3】変色がある
紫外線を多く浴びたことにより、外壁が変色したり色あせたりするのも劣化サインのひとつです。塗装表面につやがないため、見た目が汚いだけでなく汚れもつきやすくなります。
【症状4】ひび割れ・クラックがある
外壁にひび割れ(クラック)ができるのも、塗膜劣化のサインです。
ひび割れに幅や深さがある場合は、下地ごとひび割れを起こしている可能性が高くなります。その場合、雨水が内部に浸透しやすくなり建物の劣化を進めてしまうので、早急な塗り替えが必要です。
【症状5】膨らみや剥がれがある
外壁塗装時に外壁に水分が残っていたり、湿気の多い時期に施工したりすると、塗装が膨れたり剥がれたりという劣化に繋がります。
外壁塗装の剥がれやめくれを放置すると下地が傷み、そこから外壁の腐食が進んでしまうため、早めに塗り替えをすることが重要です。
木造住宅における外壁塗装の流れ
ここでは、木造住宅における外壁塗装の流れについて解説します。
まず、建物まわりに作業用の仮設足場を組み立てます。
外壁や屋根など塗り替える部分を洗浄します。高圧洗浄機を使って、外壁に付着した汚れやカビ、コケなどを落としていきます。
ドアや窓など塗装しない部分をビニールなどで覆って養生し、塗料の飛びや汚れの付着を防ぎます。
塗料を均等にのせるために、まず下地の処理を行います。具体的には目地部分の補修(古いシーリング材を撤去し、新しいものに交換する「シーリング打ち替え」など)や、塗装のひび割れや膨れ、剥がれといった処理をします。
外壁を塗装します。下塗り、中塗り、上塗りと三度塗りをするのが基本です。通常は高い箇所から低い箇所へ、または汚れが付着しにくい順に塗装を進めていきます。
塗装が終わったら養生を撤去し、足場を解体して外壁塗装の塗り替えは完了です。
木造住宅の外壁塗装にかかる費用相場
一般的な2階建て木造住宅(延床面積30坪程度を想定)の場合、外壁塗装にかかる費用相場は80万~150万円です。ただし、これはあくまで目安であり、外壁の劣化状況や使用する塗料の種類・グレード、塗装面積や建物の立地条件などによって費用は大きく変動します。
外壁塗装に使用する塗料の種類 | 費用相場 (1平方メートルあたり) |
---|---|
アクリル系 | 1,000~1,200円 |
ウレタン系 | 1,800~2,000円 |
シリコン系 | 2,500~3,500円 |
ラジカル系 | 2,500~3,500円 |
フッ素系 | 3,500~6,000円 |
光触媒系 | 5,000~5,500円 |
一般的に、外壁塗装に使用する塗料の耐用年数は塗料の価格に比例するため、外壁のメンテナンスサイクルも考慮して塗料を選ぶことが重要です。たとえば、初期費用が安くても耐用年数が短い塗料は、塗り替え回数が増え、結果的に長期的なコストが高くなる場合があります。そのため、10年後、20年後までのトータルコストを考えて塗料を選びましょう。
木造住宅の外壁塗装では、通常の工事とは別に追加の作業と費用が発生する可能性もあります。追加費用の例として、木部の状態によってはアク洗いや漂白、腐食部分の補修などが挙げられます。
なお、自然災害(台風、雪害、雹害など)によって外壁に被害を受け、外壁塗装が必要になった場合には、火災保険が適用できる可能性もあります。その場合は、あらかじめ加入している保険会社の契約内容を確認してみましょう。
また、お住まいの自治体によっては、外壁塗装に関する助成金や補助金制度が用意されている場合があるため、各地方自治体のホームページなどを確認しましょう。
木造住宅の外壁塗装をする際の注意点
木材の塗装は難易度が高く、施工時にはいくつか気をつけるべき点があります。施工不良や事故などのトラブルを防ぐためにも、事前に注意点をしっかり把握しておきましょう。
【注意点1】木造住宅以外の建物に比べて外壁塗装の寿命が短い
木造住宅の木部外壁は、コンクリートや鉄骨といった無機質の外壁材を使用している建物に比べて、塗装の経年劣化が早くなる傾向にあります。
この理由としては、木材には調湿機能があり、常に伸縮を繰り返していることが挙げられます。これは、木材の伸縮によって塗膜に負担がかかって剥がれやひび割れが生じやすくなり、適切な塗料選びや施工がされないと塗膜が長持ちしにくくなるためです。さらに、雨風による浸水や紫外線による劣化も早いため、メンテナンスコストを含めた総額は他の外壁材よりも高額です。
なお、外壁塗装とは異なるリフォーム方法ですが、木造の雰囲気を保ちつつコストを抑えて導入したい場合は、木目調サイディング(外壁に木目の模様を施したサイディング材)を検討するのもひとつの手です。木目調サイディングなら、木の質感はそのままに耐久性やメンテナンス性を向上できるため、木造よりもメンテナンスコストを抑えやすいといったメリットがあります。
【注意点2】建物の方角によって外壁の劣化状況に差が出る
木材は紫外線に敏感で、太陽光の影響を受けやすいため、日当たり具合によって劣化の進行具合が大きく異なります。たとえば、直射日光を受けやすい南側は、ほかの方角よりも塗膜が色あせしやすい傾向にあります。
劣化の度合いは太陽の当たり方に大きく左右されるため、外壁の状態を定期的にチェックすることが大事です。塗り替えの計画を立てる際には、建物の各方角の状態を個別にチェックし、必要に応じて再塗装を行いましょう。
【注意点3】DIYによる外壁塗装は事故や施工不良のリスクがある
木造住宅の外壁塗装を自分で行えば大幅なコストダウンが見込めますが、DIYには安全面や品質面で大きなリスクがあります。木造住宅は足場が欠かせない場合が多く、慣れない人が高所で塗装作業を行うと、落下事故を起こすリスクが高くなる傾向があります。
また、丁寧な下地処理や適切な塗装手順を踏まなければ、せっかく塗装しても短期間で剥がれやひび割れが発生するでしょう。さらに、木材用の塗料には特有の塗り方があり、乾燥時間の管理が重要なため、誤った作業を行うと建物そのものの耐久性に悪影響を及ぼします。DIYによる外壁塗装を経験のない素人が行うと、このようなトラブルが起きやすいため、プロの専門業者にまかせるのが最善といえるでしょう。
木造住宅の外壁塗装における業者を選ぶポイント
木造住宅の外壁塗装を成功させるには、信頼できる業者選びが重要です。塗装業者によって技術力や施工実績は異なるため、単に価格だけでなく、サービス内容などを総合的に比較検討して判断する必要があります。
ここでは、木造住宅の外壁塗装における業者選びのポイントを2つ紹介します。
【ポイント1】複数の業者で相見積もりをする
外壁塗装の費用や品質は業者ごとに異なるため、最低でも2~3社以上の業者から見積もりを取り寄せて比較しましょう。最初から一つの業者に絞って依頼すると、相場がわからず、サービスの良し悪しを判断できません。結果として業者選びに失敗しやすくなるため、注意が必要です。
相見積もりを取る際は、塗料の種類やグレードなどの条件を統一したうえで比較すると、適正価格を把握しやすくなります。また、見積書の記載内容が詳細にわかりやすくまとめられているかどうかも重要なチェックポイントです。曖昧な記載や抜け漏れが多い業者は、あとで追加費用などのトラブルを招く可能性が高くなります。まずは、複数の業者に見積もりを依頼してみましょう。
【ポイント2】木造住宅の外壁塗装における施工実績が豊富な業者に依頼する
業者を選定する際は、事前にホームページなどを見て、過去の施工実績を確認しましょう。
木造住宅の施工実績を多く持つ業者を選べば、さまざまなケースに対応できる経験とノウハウを活かした提案を受けられます。たとえば、木部に腐食が見られる箇所の補修や、隙間が生じやすい接合部のシーリング、雨水の浸入を防ぐための対策など、木造特有の問題を解決するためのアドバイスを期待できます。
また、施工実績が豊富な業者は、さまざまな状況に対応できる能力を備えており、施工不良などのトラブルも起きにくい利点があります。多くの施工実績はそれだけ利用者に信頼されているという証拠にもなるため、業者を選ぶ際の安心材料になりえます。
木造住宅の外壁塗装を長持ちさせる秘訣
木造住宅の外壁の美観と機能を長期にわたって維持するには、適切なアフターケアが不可欠です。外壁塗装を長持ちさせる秘訣を知っていれば、美しい外観を維持できるだけでなく、メンテナンスコストを抑えられるメリットもあります。
ここでは、木造住宅の外壁塗装を長持ちさせるのに役立つ2つの方法を解説します。
【方法1】下地処理が丁寧な業者を選ぶ
木造住宅の外壁塗装を長持ちさせたいなら、塗装前の下地処理を丁寧に行ってくれる業者を選びましょう。
木造住宅の外壁塗装では、塗装前の下地処理が仕上がりに大きく影響します。ケレン(古い塗膜やサビを剥がし、塗料の密着性を高める作業)などの下地処理を丁寧に行えば、塗料の密着性が高まり、耐用年数も長くなりますが、下地処理を行わずに汚れや傷などが残ったまま上から塗り重ねると、塗装後の早いタイミングで剥がれや膨れが発生しやすくなります。
施工後のトラブルを防ぐには、塗装作業だけでなく、下地処理も丁寧に行ってくれる業者を選ぶことが大切です。業者を選ぶ際は、見積もりの段階で下地処理の手順や内容を詳しく説明できるか、施工事例で下地処理の写真を提示してくれるかなどを確認しておきましょう。
【方法2】塗装後の点検とメンテナンスを欠かさない
木造住宅の外壁塗装後は、定期的な点検やメンテナンスを心がけましょう。
木造住宅では木材自体が呼吸しており、季節や気候の変化によって膨張や収縮を繰り返すため、時間の経過とともに小さな亀裂や隙間が生じる場合もあります。亀裂や隙間を放置すると大掛かりな補修が必要になるため、定期的に点検を行い、初期段階の不具合を見逃さないことが大切です。
年に1回程度は専門業者や自分自身で外壁の状態を点検し、塗装面の剥がれや色あせ、木材の腐食などを確認しましょう。万が一異常が見つかっても、放置せずに早期に補修すれば、大掛かりな工事を防ぐことができ、補修費用も安く抑えられます。計画的にメンテナンスを行うことで、建物の美しい外観と快適な住環境を長く維持できるでしょう。
外壁リフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。
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