2024年11月20日更新

監修記事

介護・バリアフリーリフォームの費用相場&事例を公開!補助金・業者探し・失敗例などのポイントまとめ

ご実家やご自宅の介護・バリアフリーリフォームが必要になったとき、さまざまな不安が募ってしまいますよね。
それでもまずは落ち着いて「どんな工事が最適か」を、プロのスタッフと一緒に検討することから始めましょう。
本記事で、一戸建てやマンションにおける「主な介護・バリアフリーリフォーム(水回り・玄関など)のポイント・費用相場」や「施工事例」「利用しやすい補助金」「業者の選び方」をご紹介しますので、参考になさってください。

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「家の中」は、高齢者の事故が多く危険!

消費者庁・独立行政法人国民生活センターによると、2021年3月末までの6年間に発生した高齢者の方の転倒事故(606件)のうち、住宅で起きた割合は49%(299件)と約半数を占めます。

とりわけ80歳以上になると、家庭内で「階段・ステップからの転落・転倒」「スリップ事故」「つまずき・よろめきによる同一平面上の転倒」によって亡くなってしまった事故も、悲しいことですが多く報告されています。

※出典:「毎日が#転倒予防の日~できることから転倒予防の取り組みを行いましょう~」 (消費者庁)

お住まいをバリアフリー仕様にリフォームすることは、ご家族やご自身の命と健康を守る上で、とても大切といえます。

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介護・バリアフリーリフォームのポイントと注意点

適した介護・バリアフリーリフォームを実施するため、押さえておきたいポイントを一緒にチェックしていきましょう。

「介護される人」「介護する人」ともに快適な住空間を目指す

「介護される方」はもちろんのことですが、介助者であるご家族・ホームヘルパーの方など「介護する方」にとっても、使いやすい空間を目指すことが大事です。

不自由に感じることが多くなると、お互いに心身への負担が蓄積してしまうもの。
できるだけストレスが増えないよう、心地よく過ごせる場所をつくりましょう。

例えば、トイレや浴室なら「一緒に入れるスペース」や「ケアをする際の動線」「掃除しやすい素材・広さ」など、実際にどんな動きをするかをイメージしながらプランを練るとよいですね。

手すりの取り付け程度でも、DIYではなく業者に依頼する

DIYが得意な方は「手すりくらいなら、自分で取り付けられるかも」とお考えになるかもしれません。
しかし、素人の方が手すりの設置作業を行うのは、大きな事故につながるリスクがあり、大変危険です。

手すりの取り付け時には「壁の下地補強」や「金具による補強」など、強度の確保が必要不可欠です。
DIYで取り付けた結果、補強が足りなかったため「使っている最中に、手すりが突然はずれてしまった」というケースがあります。

手すりを使う方にとって「握りやすい大きさ(太さ)・位置・素材」を選ぶことも重要といえます。

「握力が弱っているか」「車椅子を使うか」といった要素で、手すりの選び方や、使いやすい高さが変わってきます。

手すりの設置工事も、知識のある業者に任せるようにしましょう。

車椅子での動線を考えながら設計する

車椅子を利用する場合は「余裕を持って出入り・通行できる」「方向転換・切り返しができる」「介助者も一緒に入れる」「乗降作業しやすい」スペースを確保しましょう。

可能であれば、玄関や廊下を拡張する改修工事を実施するとよいですね。

床は段差を解消し、すべりにくい素材を選ぶ

つまずき事故防止のため、できる限り「段差を解消」しましょう。

特に車椅子をお使いになる場合、わずかな段差でも転倒してしまう危険性があります。
場所によっては「スロープの設置」が有効です。

またスリップしないよう「すべりにくい床材」に変更することも忘れずに。
部屋や廊下だけではなく、浴室・玄関・外構については「濡れてもすべりにくく、水はけが良い素材」にするのが望ましいです。

>>床をバリアフリーにリフォームする費用・価格の相場は?

開き戸は、引き戸や折り戸に変更する

玄関扉や室内ドアが「開き戸」の場合は、なるべく「引き戸」に変更すると、移動や出入りの動作がスムーズになります。

中でも「ノンレール式の引き戸」は、床面に段差が生じないため、おすすめです。

特に車椅子の利用時には、開き戸では開閉や出入りの動作がしづらいです。
引き戸であれば、車椅子の方でも開閉が楽になり、玄関などの出入り口も広く使いやすくなります。

トイレや浴室のドアを「引き戸」や「折り戸」にしておくと、万が一、室内で転倒などの事故が起きた場合に、室外にいるご家族が助け出しやすいというメリットもあります。

>>バリアフリーには引き戸がベスト!理由と注意点を徹底解決

ヒートショック対策も忘れずに

65歳以上の高齢者の方がお住まいの場合は、同時に「ヒートショック」対策もできると、より安心です。

ヒートショックとは

急激な温度変化により血圧が激しく上下することで、血管・心臓に負担がかかってしまう状態のこと。

入浴前後の浴室・洗面所や、冬の夜にトイレへ移動する際などは、注意が必要です。

極力「家の中の温度差をなくす」ことを心がけ、次のような設備も導入しておくとよいでしょう。

  • 冬場に寒くなる浴室は「断熱性の高いユニットバス」にリフォーム
  • 廊下・トイレ・洗面脱衣所・浴室に「暖房」を設置
  • 普段よく使う部屋やリビングに「床暖房」設置
  • 冷えやすい部屋を「断熱化」(断熱材・断熱パネル・内窓などを施工)

>>床暖房の後付けリフォームの費用は?電気式・温水式のどちらを選ぶ?
>>断熱リフォームの費用相場は?補助金の情報や失敗を避けるポイント

トイレの場所が寝室・居室の近くにあると便利

「トイレ」と「寝室やリビング」の距離が近い間取りであれば、ヒートショック対策や、移動の負担軽減につながります。

余裕があれば、間取りを変える工事も検討してみましょう。

>>バリアフリーの間取りのポイント
>>間取り変更をするリノベーションの費用は?リフォームの相場やポイント

戸建ての場合は、生活空間をなるべく1階に

2階建て・3階建ての一戸建てでは、足腰が弱っている方にとって上下階の移動が大変になるでしょう。できれば1階部分で生活できるようにしたいところです。

もしも2階に玄関・リビング・浴室・トイレ・寝室がある場合は、大規模工事にはなってしまいますが1階に移動できると理想的です。

移動工事が難しい場合は「ホームエレベーター」や「昇降機」を設置するなど、別の対策を検討するとよいでしょう。

マンションの場合は、管理規約の範囲内で施工する

マンションでは、管理組合から許可を得て、管理規約の範囲内で改修する必要があります。

建物により制約は異なりますが、たいていの場合は「玄関ドアの変更・拡張」「排水管の移動を伴う工事(トイレなどの移設や大幅な拡張)」はできないことが多いです。

また階下への影響があるため、一般的に「床材は、防音性が高い物」に限定されます。

マンションのリフォーム経験豊富な業者であれば、管理規約に合うようプランニングしてくれるはずです。
判断に迷う場合は、リフォーム会社と一緒に管理規約をチェックすると確実でしょう。

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介護・バリアフリーリノベーション総額費用の目安

お住まい全体を、介護・バリアフリー仕様にリノベーションする場合の価格帯は、100〜1,700万円と幅広いです。目安としては、500万円〜が一般的です。

当サービス『ハピすむ』の介護・バリアフリーリフォームの実績データを参考にしてみましょう。
下の円グラフは、実際にかかったリフォーム費用の分布を表したものです。

実施されたリフォーム内容はこちらのように多岐にわたります。

  • 手すりの設置
  • 水回り設備の交換(トイレ・キッチン・浴槽など)
  • 段差の解消(室内や玄関)
  • スロープ・昇降機・エレベーターの設置
  • 家全体のフルリフォーム

「手すりの設置のみ」を行うようなケースは少なく、複数箇所をまとめてリフォームしている事例が中心となっています。

予算が限られる場合は、優先的にリフォームすべき箇所を考えながら「どこまで施工可能か」を業者と相談するとよいでしょう。

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【施工箇所別】介護・バリアフリーリフォーム費用相場

ここからは、水回りや廊下など施工場所ごとのリフォーム費用を、詳しくご紹介します。

手すりの本体価格・工事費の違い

多くの箇所に設置する「手すり」は、次の要素により金額が変動します。

  • 本数
  • 長さ
  • グレード
  • 素材(木製、ステンレス製など)
  • 形状(一直線に伸びた「I型」や、縦横に伸びた「L型」など)
  • 機能(「LED照明」や「人感センサー」付きなど)

壁の下地補強や、照明用の電気工事が必要な場合は、別途工事費が発生します。

【トイレ】介護・バリアフリーリフォーム費用相場

トイレは狭く設計されていることが多いため「スペースの拡張」が必要となるかもしれません。
間取りによっては「トイレを移設」するほうがよい可能性があるでしょう。

便器が和式の場合は、かがむ動作の負担を減らすため「洋式」に変更することを推奨します。

施工内容リフォーム費用
手すり設置1万〜18万円
(壁補強が必要な場合=5万円〜)
引き戸へ変更5万〜30万円
段差解消1.5万〜15万円
和式から洋式へ変更15万〜60万円
補助(補高)便座の設置2万〜10万円
温水洗浄便座の設置5万〜10万円
スペース拡張10万〜40万円
トイレ室の位置移動30万〜60万円

>>トイレのバリアフリーリフォーム化とは?特徴や工事内容
>>トイレの位置移動リフォームにかかる費用の相場は?

【お風呂】介護・バリアフリーリフォーム費用相場

浴室も、介助者の方が洗い場を一緒に使えるよう「拡張」するほうがよい場合があります。

深めの浴槽がある場合は「またぎやすい高さのもの」に交換することをおすすめします。
出入り口の段差を解消したい場合は、浴室全体をユニットバスに交換するのが望ましいです。

「浴槽交換」や「段差解消」=ユニットバスに交換するが基本

「浴槽をまたぎやすいものに交換」する場合、浴槽のみを入れ替えるのではなく、お風呂全体を新しいユニットバスにリフォームするのが一般的です。

「段差の解消」では、すのこや簡易なスロープを設置する方法もありますが、すべりやすくなるなど安全性に欠けます。

そのため、やはり浴室をまるごとユニットバスに交換するのが無難です。

施工内容リフォーム費用
浴室暖房の設置5万〜30万円
浴室拡張30万〜250万円
床材の変更5万〜20万円
手すり設置2万〜5万円
折り戸・引き戸への変更7万〜25万円
またぎやすい浴槽に交換25万〜60万円
ユニットバス交換70万~150万円

>>浴室のバリアフリー化リフォームの方法とは?補助金は活用できる?
>>ユニットバス交換の費用はいくら?費用が大きく変わる4つの要素とは

寒い浴室の断熱・ヒートショック対策工事を行う場合

タイル張りの在来工法の浴室であれば、冬の寒さや転倒事故を防ぐため「ユニットバス」にリフォームしましょう。

断熱浴槽(湯船のお湯が冷めにくい浴槽)がある「高断熱のユニットバス」に交換するのが一押しです。

冷えやすい浴室では、床下や窓に断熱工事を施しておくのもよいでしょう。ヒートショック対策には「浴室暖房」の設置も有効です。

施工内容リフォーム費用
浴室暖房の設置5万〜30万円
(浴室暖房乾燥機の場合:20万〜80万円)
在来浴室からユニットバス70万〜200万円
高断熱のユニットバスに交換100万〜300万円
ユニットバス交換と同時に断熱材を追加壁内:2万〜5万円床下:3万〜5万円
窓の断熱化断熱性が高い内窓の設置:6万〜15万円断熱サッシへの交換:15万〜30万円断熱フィルム貼り:2万〜5万円

>>浴室暖房の機能やメリット・デメリット、設置費用、ランニングコストを解説
>>浴室暖房乾燥機の費用はいくら?電気式・温水式のランニングコストの差は?
>>タイル張りの浴室からユニットバスへのリフォーム費用はいくら?
>>ユニットバスの断熱費用はいくら?お風呂の寒さの原因は高断熱浴槽で解決可能?

【洗面所】介護・バリアフリーリフォーム費用相場

車椅子を利用する方がいらっしゃるなら「バリアフリー対応の洗面台」に交換するのがよいでしょう。

座ったままでも身支度できるカウンターがあり、軽くタッチするだけで水を出したり止めたりできます。

施工内容リフォーム費用
バリアフリー・車椅子対応の洗面台30万〜50万円
床材の変更5万〜10万円
段差解消2万〜15万円
手すり設置3万〜5万円
ドアの変更20万〜40万円
暖房器具設置2万〜8万円
洗面所の拡張20万〜35万円

>>洗面台をバリアフリーにするときに気をつけることは?

【キッチン】介護・バリアフリーリフォーム費用相場

ガスコンロを「IHクッキングヒーター」に変更すると、火の消し忘れや不完全燃焼のリスクを回避できます。

家事の負担を軽減するため「食器洗い乾燥機」の設置や「使いやすいシステムキッチン」へのリフォームも考えてみてはいかがでしょうか。

施工内容リフォーム費用
ガスコンロをIHに変更20万〜45万円
食器洗い乾燥機の設置(ビルトイン)10万〜25万円
使いやすいシステムキッチンに変更40万〜200万円(中心価格帯:50万〜150万円)

【廊下】介護・バリアフリーリフォーム費用相場

廊下では「手すり設置」や「隣接する部屋の敷居撤去(床の段差解消)」がメインとなります。
車椅子が通りやすい幅もキープしておきましょう。

施工内容リフォーム費用
手すり設置1万〜15万円
居室や和室の段差解消(敷居の撤去・スロープ設置)1万〜15万円
幅の拡張30万〜150万円

>>廊下に手すりを取り付けるリフォーム費用や価格は?

【寝室】介護・バリアフリーリフォーム費用相場

寝室には、転倒事故を防ぐための照明を設置するのが無難です。
電源が足りない場合は、コンセントを増設しておくと便利でしょう。

施工内容リフォーム費用
手すり設置1万〜2万円
引き戸への変更4万〜15万円
コンセント増設(暗さの解消)0.5万〜2万円

【玄関】介護・バリアフリーリフォーム費用相場

玄関のリフォームは、主に一戸建てで必要になりやすいです。大きな段差があれば解消しておきましょう。

また椅子やベンチがあると、外出の前後に重宝します。

施工内容リフォーム費用
段差を低くする(上がりかまちに式台を設置など)0.5万〜10万円
手すり設置0.8万〜4万円(1m以内の場合)
スロープ設置10万〜60万円(玄関戸の前に小さなスロープ=2万円〜)
椅子・ベンチの設置1万〜7万円
引き戸への変更15万〜60万円
床材の変更5万〜8万円

>>玄関の段差解消やバリアフリーリフォームの費用・価格の相場は?

【2階の設備を1階に移動】リフォーム費用相場

一戸建ての2階部分にある水回り設備を1階に移設する場合、費用が高額になりやすいです。

施工内容リフォーム費用
浴室の移動100万〜250万円
キッチンの移動40万〜120万円
LDK移動を伴うリノベーション420万〜1,500万円

>>お風呂・ユニットバスの移設・移動リフォーム費用はいくら?
>>水回りの移動リフォームにかかる費用は?

【階段】介護・バリアフリーリフォーム費用相場

2階建て以上の一戸建てでは、階段の対策も行っておきましょう。
狭くて急な階段の場合は、傾斜や幅を変更することで安全性が高まります。

施工内容リフォーム費用
段(傾斜)を緩やかにする/幅の変更30万〜115万円
手すり設置4.7万〜15万円
すべり止め設置1万〜3万円

>>階段のすべり止めリフォームの費用は?
>>階段をバリアフリーリフォームするのにかかるポイントや費用は?

【ホームエレベーター・階段昇降機設置】費用相場

2階建て以上の一戸建てで「ホームエレベーター」「階段昇降機」を設置する際は、予算組みにやや注意する必要があります。

設置時の工事費のほかに、定期的な維持費がかかるためです。建物によっては確認申請の手数料も発生します。

施工内容リフォーム費用
ホームエレベーター設置300万〜500万円
昇降機の設置50万〜800万円

>>自宅に介護用の昇降機(エレベーター)を設置することはできる?設置の費用と特徴は?

検討されている工事の総額がどのくらいになるか、不安になってしまいますよね。
でも、リフォームのお見積もりは基本的に無料ですので、ご安心ください。

少しでも気になることがありましたら、遠慮なくリフォーム会社に質問してみましょう。

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介護・バリアフリーリフォームの施工事例

ここで、当サービス『ハピすむ』に加盟するリフォーム会社が手がけた、介護・バリアフリー改修の事例をご紹介します。

介護保険を利用し、浴室&車椅子対応の洗面台をリフォーム


車椅子でも使いやすい洗面台と浴室

施工費用約100万円
施工期間15日
工事箇所・浴室・洗面所
建物種別一戸建て

施主様から「介護保険を活用して、バリアフリーリフォームをしたい」とご相談をいただきました。

浴室には、掃除が楽なホーロー製の壁や、手すりとしても使えるスライドバーを採用。

既成サイズのユニットバスでは大きすぎる or 小さすぎる可能性がありましたが、特注のぴったりサイズのお風呂を設置し、段差を解消しました。

新しい洗面化粧台は、車椅子でもカウンター下に入れる、ゆったりしたサイズです。

洗面所から開口し、車椅子でも使いやすいトイレを実現


一人でも、車椅子で楽に出入りできるトイレ空間

施工費用約100万円
施工期間7日
工事箇所・トイレ・洗面所
建物種別一戸建て

ご高齢で車いすを利用されているお母様が、お一人でもトイレに行けるよう「動線の確保や、段差の解消工事をしてほしい」というご依頼でした。

現状のままでは車椅子で利用しにくい構造だったため、隣接する洗面所のほうを開口し、トイレスペースに入れるよう調整。

段差があったトイレの床面は、すぐ横の洗面所の床高まで下げることで、段差を解消しました。
同時にトイレの本体交換も行い、手すり・リモコン・スイッチもお母様が使いやすい位置へと変更。

お母様からも「楽にトイレへ行けるようになった」と喜んでいただけました。

トイレ・お風呂・洗面所を一新


介護保険を活用して水回りをリフォーム

施工費用約160万円
施工期間10日
工事箇所・トイレ
・浴室・洗面所
建物種別マンション

お客様は、介護保険が適用可能なバリアフリーリフォームをご希望でした。

お風呂の出入り口の段差を解消し、将来のために浴室内に手すりを増設。
ユニットバスも洗面台もトクラスの商品を選択されたことで、色合いがまとまり、見映えが美しくなりました。
「入浴時間が楽しく、楽に掃除できるようになった」と、ご満足いただけました。

介護のためマンションを全面的にバリアフリー化


遊び心のある内装で、可愛い空間にリフォーム

施工費用約800万円
施工期間2か月
工事箇所・LDK・トイレ
・浴室・洗面所
・廊下
建物種別マンション

LDKと廊下の床の段差を解消し、廊下には手すりも設置し、バリアフリー化を実現しました。

元々あったブロックキッチンは、システムキッチンへ交換。
洗面所とトイレにはモロッコ風の幾何学模様の床材を取り入れるなど、内装を可愛らしくして、全体的におしゃれにリフォームできました。

デザインにもこだわりながらバリアフリーリフォーム


意匠性も重視しながら、介護しやすい住空間へと改装

施工費用約1,000万円
施工期間2か月
工事箇所・LDK・トイレ
・浴室・洗面所・廊下・洋室・玄関
建物種別マンション

お母様の介護のためバリアフリー改修をするにあたり「せっかくの機会なので、デザインにもこだわってリフォームしたい」とご相談を受けました。

フラットな床などのバリアフリー対策を施しつつ、各所に彩光できる、明るいデザインを目指しました。
「玄関が、暗くて狭い」という悩みを解決するため、玄関の横にあった洋室をなくすなど、間取りも変更しています。

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介護・バリアフリーリフォーム対象の補助金(助成金)の例

介護のためや、高齢者の方の健康を守るためのバリアフリーリフォームでは、補助金(助成金)制度の対象となりやすいです。

全国共通の制度=介護保険

どちらの地域にお住まいでも「要介護」「要支援」と認定された方は、在宅介護のリフォームで「介護保険」を適用可能です。

事前にケアマネジャーとの相談(「理由書」の作成)が必要です。

対象となるリフォーム工事の例
・手すり設置/段差解消/床材の変更/引き戸・折り戸などへの変更/和式トイレを洋式へ変更・上記とあわせて必要な改修工事
補助金額
対象限度額20万円に対し、工事費用の7〜9割(自己負担額1〜3割を除いた額)を補助
※上限20万円に対して7〜9割が補助されるため、給付額は実質、最大18万円※自己負担額の割合=所得状況に応じ変動
備考
※工事前の申請が必要(事後申請は原則不可)※1回の工事費が20万円に満たない場合は、数回に分けて申請可※著しく健康状態が悪化した際や、転居した場合には、新たに最大20万円を申請可

自治体の補助制度も利用できる場合が多い

介護保険のほかに、自治体独自の制度を利用できる場合もあります。

高齢者や障がい者の方のためのバリアフリーリフォームに対し、補助・助成制度を設けている地域は多いです。
例として、2024年10月時点で公募中の制度の例を見てみましょう。

東京都小平市「自立支援住宅改修給付」

65歳以上の高齢者で、身体機能の低下により日常生活に支障が生じている方が対象です。

対象となるリフォーム工事の例
手すり設置/段差解消/和式トイレを洋式へ変更/浴槽の取り替え/流し・洗面台の交換
補助金額
給付限度額の範囲内で、1割負担あり
<住宅改修予防給付事業>● 手すり設置・段差解消など(限度額20万円)※介護保険の認定を受けた方=介護サービス内で住宅リフォームを行う
<住宅設備改修給付事業>● トイレを洋式へ変更(限度額10.6万円)● 浴槽の取り替えなど(限度額37.9万円)● 流し・洗面台の交換(限度額15.6万円)※介護保険の要支援・要介護認定の方も利用可

大阪市「高齢者住宅改修費給付事業」

介護保険で住宅改修をされる際に「(介護保険を適用できるリフォームの)関連工事であっても支給対象とならない部分」の費用を受給できます。

対象となるリフォーム工事の例
手すりを設置した壁の改修/浴槽や便器の交換に伴う、壁・床などの改修
補助金額
工事費用のうち、最大30万円までを支給(所得状況などに応じ変動)
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介護・バリアフリーリフォームのよくある失敗例4選

せっかくリフォームしても、使いづらい空間になってしまっては残念な気持ちになってしまいますよね。

後悔することがないよう、介護・バリアフリーでありがちな失敗例を確認しておきましょう。

①手すりが太すぎて、つかみづらい

健康な方が「これなら握りやすそう」と思って取り付けた手すりを、握力が弱った高齢者の方がにぎってみたら、うまくつかめなかった……という例があります。

先述したように、使いやすい手すりの太さ・形状・位置などは、人によって変わってきます。
実際に手すりが必要な方と一緒に、設置場所や部材選びを決定しましょう。

②多めに付けた手すりが邪魔

「この先、もっと必要になるかも」と多めに手すりを設置したところ、かえって邪魔になってしまったケースも。

「狭いトイレで、体をぶつけてしまった」「家具を置けなくなった」「車椅子生活になったら、廊下を通れなくなった」など、念のため付けた手すりが支障になってしまう場合があります。

手すりの失敗例は大変多いので、計画的に設置するのが理想です。

③ トイレや玄関が狭すぎて、車椅子では動けない

トイレや玄関といった限られたスペースでは「車椅子で出入りしにくい」「介助者が動けない」という失敗が発生しやすいです。

狭い場所では特に「スムーズに出入り可能な間口幅」と「介助者の動線」どちらも確保して設計することが肝心といえるでしょう。

④「いずれ車椅子になるかも」とリフトを付けたが使わない

「いずれ車椅子生活になったら必要になりそう」と考え、階段にリフトを設置したものの、使う機会がなかったという失敗談もあります。

階段昇降機やホームエレベーターなどの機械は、設置費用が高額になりやすい上に、定期点検の費用もかかってしまいます。

「もしものときに」と準備しておきたくなるかもしれませんが、どのような工事も「必要な人に合わせて設置する」のが、失敗を防ぐ対策となるでしょう。

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介護・バリアフリーリフォーム業者の選び方

最後に、介護・バリアフリーリフォームの業者を選ぶ際のコツをお話しします。

介護・バリアフリーリフォーム経験豊富な業者と相談を

リフォーム会社は全国にたくさんありますが、それぞれ「水回り設備の交換工事に特化」「内装工事が専門」など、得意分野が異なるものです。

最適なリフォームを行うためには「介護・バリアフリー工事の実績がある業者」に依頼することが大切です。

地域密着型の業者であれば、再びバリアフリー工事をしたい場合にもホームドクターとして対応してもらいやすいでしょう。

業者によっては、介護保険や補助金申請の手続きなどもサポートしてくれる場合があります。

「福祉住環境コーディネーター」在籍の会社なら、より安心

「福祉住環境コーディネーター」が在籍している業者であれば、さらに安心して任せられるでしょう。

「福祉住環境コーディネーター」は、まさに在宅介護のプロといえる資格です。
住宅の介護設備などの知識を有し、高齢者や障がい者の方が快適に暮らしやすい住環境を提案してくれます。

2級以上の合格者なら、介護保険の申請で必要となる「理由書」の作成を担当できる場合が多いです。
手続き関連も効率的に進めやすいでしょう。

どのようなお住まいであっても、可能な範囲で、ご家族に合ったリフォームプランを考えることが大事です。
介護・バリアフリーリフォームに詳しい業者と相談しながら、計画を立てていきましょう。
経験のあるスタッフであれば、必要な工事と予算のバランスを考えてアドバイスしてくれるはずです。

ご家族みんなが明るく楽しく暮らせる空間に、リフォームできるとよいですね。

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介護・バリアフリーリフォームの業者選びで後悔しないために

必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!

なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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