マンションにおける外壁の種類を解説!劣化症状で異なる補修方法とは

マンションの外壁にひび割れや、剝がれなどの劣化を発見した場合、症状に合った補修が必要です。また、外壁の交換が必要な場合、マンションや周辺環境に適した外壁材を選ばなくてはいけません。本記事では、マンションにおける外壁材の種類と、そのメンテナンス方法について解説します。リフォームにかかる費用なども理解し、マンションの状態や予算などを考慮した上でメンテナンス計画を立てられるようになりましょう。

2025年03月31日更新

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マンションにおける外壁の種類

マンションに使われている外壁には、窯業系サイディングやタイルなど多くの種類があります。

ここでは、マンションにおける外壁の種類を解説します。

【種類1】窯業系サイディング

窯業系サイディングとは、セメントを主原料とした外壁材のことを指します。

窯業系サイディングのメリット
  • ほかの外壁に比べて初期費用が安い
  • 耐火性が優れている
  • デザインやカラーバリエーションが豊富にある
  • 施工期間が短い
窯業系サイディングのデメリット
  • メンテナンスにかかる費用が高い
  • 耐水性が低い
  • 外壁の浮きやひび割れが起こりやすい
  • ほかの外壁材に比べてメンテナンスサイクルが頻繁である

窯業系サイディングは、ほかの外壁材よりも初期費用を抑えられます。

ほかにも、木目調やレンガ調などの豊富なデザインやカラーバリエーションから、自分好みの外壁を選べます。

【種類2】モルタル

モルタルは、セメントと砂を混ぜ合わせたものに水を加え、練り混ぜて作られた外壁材です。

モルタルのメリット
  • 施工方法や素材を組み合わせによって、さまざまなデザインがつくれる
  • 耐久性に優れている
  • コーキングが不要なため、補修の手間が省ける
  • 防音性に優れている
モルタルのデメリット
  • ひび割れが発生するおそれもある
  • 汚れが目立ちやすい
  • ほかの外壁に比べて施工費用が高くなりやすい
  • 手作業で施工するため、工期が長くなる可能性もある
  • 高い技術力が必要になる

モルタルの耐用年数は約30年で、高い耐久性を持っています。

意匠性に優れた外壁材のため、施工には高い技術力が必要です。

そのため、モルタルでリフォームする際は、外壁リフォームの実績や施工事例などを重視して業者を選びましょう。

【種類3】タイル

タイルは、多くのマンションで採用されている外壁材です。

デザインのバリエーションが豊富なため、美観と機能性を兼ね備えた仕上げ材として広く使用されています。

タイルのメリット
  • 耐久性に優れている
  • メンテナンスサイクルや費用が抑えられる
  • 耐火性が高い
  • 豊富なデザインから自分好みの商品を見つけられる
タイルのデメリット
  • ほかの外壁材に比べて、施工費用が高い
  • タイルが剝離するおそれもある
  • ほかの外壁材に比べて施工期間が長い
  • 施工には高い技術力が必要になる

タイルは耐久性が高いもの、一方で経年劣化で起こる剝離・亀裂・シーリングの劣化には注意が必要です。

劣化を発見した場合は、信頼できる業者に現地調査を依頼し、適切な方法で補修しましょう。

【種類4】ALC

ALCは、珪石(けいせき)や生石灰などが主な原料で、パネル状に成形されて建材として用いられます。

ALCのメリット
  • 耐久性が高い
  • 断熱性に優れている
  • 耐火性に優れている
  • 遮音性が高い
  • 耐震性が高い
  • デザインの種類が豊富にある
ALCのデメリット
  • ALC本体が高額であるため、リフォーム費用が高額になる場合もある
  • 耐水性が低い
  • つなぎ目が多く、メンテナンスに手間がかかる

ALCの耐用年数は50〜60年と、ほかの外壁材に比べてメンテナンスサイクルは決して短くありません。

ただし、初期費用やメンテナンスにかかる費用は高額になる可能性もあります。

そのため、ALCの採用を検討している場合は予算も含めて慎重に考えましょう。

【種類5】コンクリート打ち放し

コンクリート打ち放しとは外壁材を被せず、コンクリートをむき出した状態のことです。

コンクリート打ち放しのメリット
  • 洗練された高級感を演出し、デザイン性が高い
  • 防音性が高い
  • 耐火性に優れている
コンクリート打ち放しのデメリット
  • 室外の気温に影響されやすいため、断熱材が必要になる
  • 防水性が低い
  • 施工には高い技術力が必要になる
  • リフォーム費用が高額になる可能性もある

コンクリート打ち放しのマンションは、スタイリッシュでデザイン性が高く、耐火性や防音性に優れています。

ただし、コンクリート打ち放しは防水性が低いため、カビが発生するおそれもあり、湿気対策が必要です。

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マンションの外壁に発生する主な劣化症状

マンションは経年劣化や施工不良などにより、ひび割れや塗膜の剝がれなどの劣化が発生するおそれもあります。

ここでは、マンションの外壁に発生する主な劣化症状を解説します。

【症状1】ひび割れ

マンションにおける外壁のひび割れは、温度変化でコンクリートが膨張・収縮を繰り返すことで発生するケースが多くあります。

幅0.3mm、深さ4mm未満のヘアークラックと呼ばれるひび割れの場合は、マンションが倒壊するなどの大きな問題には発展しません。

ただし、ヘアークラック以上の大きなひび割れは、マンション内部にまで達している可能性があります。

大きなひび割れを放置するとひび割れから雨水が侵入し、マンション内部の劣化につながるおそれもあるため、注意が必要です。

【症状2】チョーキング

マンションの外壁に触れた際、手にチョークのような白い粉がつく現象をチョーキングといいます。

チョーキングは外壁の塗膜が紫外線や風雨、温度差などの影響で劣化し、塗膜の表面が剥がれ落ちることによって起こります。

この現象は、塗膜の劣化の初期症状であり、塗膜が薄くなってきているサインです。

チョーキングを放置すると、塗装の保護機能が低下します。

そのため、外壁材が水分や湿気を吸収しやすくなり、劣化が進行する可能性もあります。

【症状3】塗膜の剝がれ

塗料には耐用年数があり、この期間を超えると塗膜が劣化し、徐々に剥がれが発生します。

耐用年数は塗料の種類や環境条件によって異なり、一般的には10年ほどです。

耐用年数に達していない場合でも、不十分な下地処理などの施工不良が原因で塗膜が剥がれる場合もあります。

塗膜が剝がれると、雨風や湿気の影響を受けやすくなり、外壁の劣化がさらに進行します。

劣化が進むと外壁材が水分を吸収し、ひび割れや腐食が広がり、建物の構造にも影響を与える可能性もあるため、早期発見が大切です。

【症状4】タイルの浮きや剝がれ

マンションの外壁がタイルの場合、定期的にタイルの浮きや剝がれの有無を確認することが必要です。

タイルを固定する接着剤などが劣化すると、徐々にタイルが浮いたり、剝がれたりする可能性もあります。

タイルの浮きや剝がれを放置すると、落下して通行人にあたる危険性があるため、劣化を発見した際はできるだけ早く補修しましょう。

【症状5】コーキングの劣化

コーキングの耐用年数は、5~10年ほどです。

耐用年数が過ぎ、劣化したコーキングを放置すると、雨水がマンションの内部に侵入するおそれがあります。

マンションの内部に雨水が侵入することで、雨漏りなどを引き起こし、補修箇所と費用が増えるケースも考えられます。

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マンションにおける外壁の補修方法

マンションの外壁に発生した劣化症状によって、補修方法は異なります。

それぞれの補修方法について理解し、劣化を発見した際に適切な判断ができるようになりましょう。

マンションにおける外壁の補修方法
補修方法おもな劣化症状
コーキングの打ち替え・打ち増し外壁のひび割れ
コーキングの劣化
外壁の交換外壁材のひび割れ
アンカーピンニングタイルの剝離
サイディング外壁材の反り・浮き
外壁塗装チョーキング
塗膜の剝がれ

【方法1】コーキングの打ち替え・打ち増し

マンションの外壁にひび割れや、コーキングの劣化を発見した場合は、コーキングの打ち替え・打ち増しを検討しましょう。

打ち替えは、古いコーキングを完全に撤去し、新しいものに交換する方法です。

劣化が進んでいる場合に適しており、防水性をしっかり回復できます。

一方、打ち増しは既存のコーキングの上から新しいものを追加する方法です。

比較的安価で済みますが、下地の劣化が進んでいると密着しにくいという欠点があります。

外壁の劣化状況に応じて、適切な方法を選ぶことが重要です。

ひび割れの状態によって異なる補修方法
ひび割れの幅補修方法
0.3mm以下
(ヘアークラック)
ひび割れをコーキングで埋める
0.3mmを超える・エポキシ樹脂注入工法
・Uカットシーリング工法

【方法2】外壁の交換

マンションの外壁材までひび割れが進行している場合、外壁の交換が必要です。

例えば、サイディングボードの場合、ひび割れが大きいと雨水が内部に浸入するおそれもあります。

また、下地の腐食や内部の断熱材の劣化を招く可能性もあります。

このように、外壁材までひび割れが進行している場合は、早めに外壁の交換を検討しましょう。

【方法3】アンカーピンニング

マンションのタイル外壁が剝離した場合、アンカーピンニングによる補修がおすすめです。

アンカーピンニングは剝離したタイルの目地に穴をあけ、接着剤を注入して固定します。

ただし、剝離した部分の面積が大きい場合はアンカーピンニングではなく、全体的な張替えが必要です。

【方法4】サイディング

マンションで多く採用されているタイルサイディングを補修する際、劣化がひどい場合は張り替えがおすすめです。

既存のサイディングを撤去した後、モルタルなどを除去して下地を整えます。

その後、接着剤で新しいタイルサイディングを貼り付けていきます。

タイルを含むサイディングの補修をおこなうときは、あらかじめ現地調査を依頼し、劣化状態に合わせた適切な補修を選択することが大切です。

【方法5】外壁塗装

マンションの外壁にチョーキングや塗膜の剝がれを発見した場合、外壁塗装を検討しましょう。

塗装で使われる塗料は数種類あり、それぞれ異なる特徴があります。

外壁塗装に使われる塗料の種類
  • アクリル塗料
  • ウレタン塗料
  • シリコン塗料
  • フッ素塗料
  • 遮熱塗料
  • 無機塗料

外壁塗装では、外壁材や環境によって最適な塗料が異なるため、専門業者と相談しながら適切な方法を選ぶことが大切です。

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マンションの外壁リフォームにかかる費用の相場

補修方法費用の相場
コーキングの打ち替え・打ち増し500円~1,500円
(1平方メートルあたり)
外壁の交換3,000円~9,000円
(1平方メートルあたり)
アンカーピンニング400円~800円
(1箇所あたり)
サイディング4,000円~10,000円
(1平方メートルあたり)
外壁塗装1,500円~5,500円
(1平方メートルあたり)

外壁の劣化状態や補修範囲、施工業者などで費用は異なります。

劣化状態や修繕範囲は自己判断が難しいため、信頼できる業者に見積もりを依頼しましょう。

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マンションにおける外壁リフォームの費用を抑える方法

マンションの外壁をリフォームする際、劣化状態や補修規模によっては費用が高額になる可能性もあります。

ここでは、外壁リフォームの費用を抑える方法について解説します。

【方法1】定期的な点検で劣化部位を早期に発見する

外壁の劣化を放置すると、ひび割れなどが悪化し、大規模な補修が必要になります。

例えば、点検によって小さなひび割れを発見して早期に補修すれば、のちに外壁の全面補修をするよりもコストを大幅に削減可能です。

このように定期的に点検をおこない、劣化の初期段階で補修することで、リフォームの費用を抑えられます。

【方法2】火災保険が適用になるか確認する

外壁の損傷が台風や地震、落雷などの自然災害が原因の場合、火災保険が適用される可能性もあります。

例えば、台風による強風で外壁のタイルが剥がれた場合、修理費用の一部または全額が保険でカバーされることもあります。

自然災害により傷んだ外壁をリフォームする際は、加入している火災保険の契約内容を確認し、適用になる場合は保険会社に申請しましょう。

【方法3】地方自治体の補助金を活用する

地方自治体によっては、マンションの外壁リフォームに対して補助金を出している場合があります。

例えば、耐震改修を伴う外壁リフォームの場合、住んでいる地域によっては補助金の対象になる可能性もあります。

マンションの外壁リフォームで補助金を活用するには、一定の条件を満たす必要があります。

また、地方自治体で制度の内容は異なるため、事前に自治体のホームページや窓口で最新の情報を確認し、申請の手続きを進めましょう。

【方法4】複数の業者に見積もりを依頼する

マンションの外壁リフォームを依頼する際は1社だけでなく、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。

複数の業者に依頼することで費用の相場が把握でき、よりコストを抑えた施工業者の選択が可能です。

業者を選ぶときの注意

ただし、費用が安いだけで業者を選ぶと、施工不良などのトラブルになる可能性もあります。そのため、費用だけでなく、施工実績やアフターサービスの充実度も比較した方がよいでしょう。

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マンションの外壁をリフォームする際の注意点

マンションの外壁をリフォームする際、入居者の対応や追加で費用がかかるリスクなどのいくつか注意点があります。

ここでは、マンションの外壁リフォームをスムーズに進めるための注意点を解説します。

【注意点1】あらかじめ入居者や近隣住民に工事を告知しておく

マンションの外壁をリフォームする際は、事前に入居者や近隣住民に工事の内容を告知しておく必要があります。

告知をせずに工事を始めてしまうと、騒音や塗料が洗濯物に付着するなどのトラブルが発生するおそれもあります。

そのため、マンションの外壁をリフォームする際は入居者や近隣住民に対し、以下のような告知をおこなうことがおすすめです。

入居者や近隣住民への告知内容
  • 工事の内容
  • 工事箇所
  • 足場の有無
  • 施工期間
  • 施工中の注意事項
  • トラブルが発生した際の連絡先

上記はあくまでも例であるため、所有するマンションの規模や周辺の環境などを考慮して告知内容を決めましょう。

【注意点2】着工後に追加費用が発生する場合もある

マンションの大規模な補修では、足場を設置しないと正確な数量を把握できない工事が多くあります。

そのため、見積もり時には概算で計算される場合が多く、実際の工事後に確定する実数精算方式が採用されています。

この方式では、実際に使用した材料や施工範囲に応じた正確な金額が請求されるため、適正な費用で工事を進めることが可能です。

ただし、想定外の補修が発生すると、契約時の見積もりよりも高額になる可能性があります。

そのため、マンションの外壁リフォームをおこなう際は、予算を多めに用意しておくなど注意が必要です。

【注意点3】マンションリフォームの実績がある業者に依頼する

マンションの外壁リフォームをスムーズに進めるためには、マンションやアパートなどの施工実績がある業者に依頼しましょう。

実績がある業者は、スケジュールの段取りや入居者への事前告知、トラブルが起きた際の対応など慣れていることがほとんどです。

また、実績が豊富な業者は、リフォームに関する規約や建築基準法などを理解しており、適切な工法の選定や許可申請の対応にも慣れています。

施工業者を選ぶ際は、実績・費用・口コミ・施工事例・顧客対応など総合的に評価して選ぶことをおすすめします。

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【Q&A】マンションの外壁に関するよくある質問

マンションの外壁で人気がある色は?

マンションの外壁で人気がある色は、以下のとおりです。

マンションの外壁で人気のある色
  • ホワイト
  • ベージュ
  • ブラウン
  • グレー

外壁の色を選ぶ際は、周囲の環境になじむシンプルな色がおすすめです。

マンションにおける外壁の失敗しない選び方は?

マンションの外壁は、以下の点を考慮して選びましょう。

マンションにおける外壁の失敗しない選び方
  • 初期費用と補修費用を確認しておく
  • 災害や事故に対する性能の有無を確認する
  • 周囲の環境になじむデザインを採用する
マンションにおける外壁塗装のメンテナンスサイクルは?

マンションにおける外壁塗装のメンテナンスサイクルは、12年~15年です。
ただし、マンションの規模や外壁の劣化状態によって異なります。

マンションの外壁にタイルが多い理由は?

マンションの外壁でタイルが多く採用されている主な理由は、以下のとおりです。

マンションの外壁にタイルが多い理由
  • 耐久性に優れている
  • 下地のコンクリートやモルタルの中性化を最小限に抑えられる
  • 高級感を演出し、美観に優れる
マンションの外壁を清掃する頻度は?

マンションの外壁は、1年に1回~2回ほど清掃すると良いでしょう。
汚れが蓄積されてから外壁洗浄をおこなうと、洗浄に時間がかかり、その分費用も高額になる可能性があります。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社フレッシュハウス 樋田明夫

株式会社フレッシュハウス

樋田明夫

フレッシュハウスでリフォームの営業担当を長年経験し、数々のリフォームコンテストでの受賞実績を持つ。現在はフレッシュハウス本社における営業戦略室の室長として、大規模リフォームから通常のリフォーム物件まで幅広く対応中。

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