目次
- 1 マンション外壁の種類と補修方法
- 2 マンションの外壁塗装にかかる費用は?
- 3 マンションの修繕!外壁塗装をすべきタイミングとは?
- 4 マンションの外壁塗装の種類と耐用年数は?
- 5 吹付け?タイル張り?マンション外壁の仕上げ材を比較!
- 6 マンション外壁の大規模修繕工事にかかる費用と施工期間の目安について
- 7 マンション外壁修繕を行うとどのようなメリットがあるのか?
- 8 マンションの外壁修繕で注意することは?
- 9 マンションの外壁修繕を行う目安
- 10 何年ごとに必要?マンション外壁の修繕工事
- 11 マンションオーナーが外壁リフォームを行うメリットについて
- 12 マンション外壁塗装のタイミング
- 13 マンションの外壁リフォームにかかる費用や期間・工程について
- 14 マンションの外壁リフォームで気をつけたいこと
- 15 マンションの外壁リフォームに最適なリフォーム会社の選び方
- 16 大規模修繕工事の発注方式とは?
マンション外壁の種類と補修方法
マンションの外壁にはどのような仕上げが施されているのでしょうか?
一般的な鉄筋コンクリート造のマンションの場合、外壁の仕上げ材にはタイルや窯業系サイディング、リシンなどの吹き付け塗装が施されています。
タイルやサイディング仕上げの場合、外壁材そのものの耐久性が高いですし、もし破損したとしても部分的に部材を交換するだけで補修が可能です。
しかし、タイルや窯業系サイディングの場合、外壁材同士の隙間を塞ぐモルタルや漆喰、シーリング剤などが劣化してしまうため、大規模修繕の際にはこれらの目地を補修する必要があります。
リシンなどを用いた吹き付け塗装の場合は、塗装面のひび割れや外壁のクラックなどが起こることが多いため、大規模修繕の際にはこれらのヒビ割れを補修しなければなりません。
小規模なヒビ割れについてはモルタルやシーリング剤で埋めれば対処できますが、大きなひび割れの場合は一度外壁材を撤去して鉄筋の状態を確認し、再度コンクリートで外壁を作り直す作業が必要です。
塗装については、建物の揺れに追従して伸び縮みすることで割れを防ぐ弾性塗料などを用い、ヒビが発生しても建物内部への水漏れを防ぐ工法が一般的となっています。
何れにしても着眼点は、ヒビの状態です。コンクリート面やタイル目地に出た細かなヒビ(ヘアークラック)は今すぐの問題にはなりませんが、窓の角や柱・梁に現れた斜めに走るヒビは要注意です。20~30cm程度のヒビでも漏水の原因になり処置が必要です。
マンションの外壁塗装にかかる費用は?
外壁は外壁材だけでは十分な防水機能が果たせないため、素材によっては塗装によってコーティングを施し、素材を保護する必要があります。
外壁塗装の費用は、塗料の種類や塗装方法によっても大きく変わります。そのため、1平方メートルあたりの塗料の費用相場は約2,000円〜約6,000円と幅があります。
塗装方法はスプレーガンによる吹付けか、ローラー塗りと呼ばれるローラーまたは刷毛を使う手塗りが主流です。
吹付けの場合は凹凸模様ができるように細かな石や砂などを混ぜたリシン・スタッコ吹付けや、タイル風に仕上げるタイル吹付けとがあり、どちらを選ぶかによっても費用は異なります。
一般的なマンションの外壁1平方メートルあたりの施工費用は、吹付けタイル仕上げの窯業系サイディングの場合で約4,000円から、リシン吹き付け仕上げの場合で約5,000円からが相場でしょう。
上記の相場は塗料と作業費のみの相場ですが、施工の際にはこの他にも、作業用の足場や塗料の飛散を防ぐ飛散防止ネット費用、養生シートの設置費用、外壁塗装の前に汚れを落とす高圧洗浄費用や諸経費がかかります。
ヒビや割れなど、劣化している部分の状況によっては高圧洗浄により傷みを広げてしまう場合があるので高圧洗浄の前に補修を行います。
それぞれの1平方メートル当たりの相場は、足場費用が約600円〜約800円、飛散防止ネット費用が約100円〜約200円、養生費用が約300円〜約500円、高圧洗浄費用は約200円〜約250円です。
マンションの修繕!外壁塗装をすべきタイミングとは?
外壁は、雨や紫外線などから建物を保護する重要な役割を担っているため、建物を守るためにも劣化症状が見られたらすぐに塗装をすべきでしょう。
外壁の異常を示すサインとしては、クラックと呼ばれるひび割れや、表面をこすった時に白い粉が手につくチョーキング、コケやカビ、外壁材の破損や汚れなどです。
特に、窓枠回りや外壁材のつなぎ目など、コーキングと呼ばれる防水処理を施してある目地の部分は、劣化が発生しやすい場所です。
また、外壁塗装は建物の保護だけでなく、外観の印象を変えることもできます。このため、賃貸マンションでは、入居率アップにつながる経営戦略としての外壁塗装のタイミングを考えることも大切です。
同じ賃料や立地条件なら外観の映えるマンションが選ばれる傾向が強いため、入居率アップを意識して、周囲の賃貸マンションにはない塗料の色や外壁のデザインを選び、入居検討者に好印象を与えられるようにすることも必要でしょう。
もしくは、耐久性は低くても低コストの塗料を選択して塗装の頻度を増やし、常に美観を保つようにすることも一つの選択肢として考えることができます。
国土交通省発行の「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル」によると、約12年に1度の大規模修繕をおこなうことを推進しています。
そのため、外壁塗装に関してもそのサイクルに合わせておこなうのが適切なサイクルと言えます。しかし外壁の材質や劣化状況により異なりますので、塗料だけでなく、下地や目地の劣化状況を含め、専門知識のある業者に見積、調査をしてもらうといいでしょう。
マンションの外壁塗装の種類と耐用年数は?
外壁塗装用の塗料にはさまざまな種類があり、アクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料などの有機塗料と無機塗料に分類されます。
塗料の種類によって、耐用年数に違いがあり、塗料の耐用年数が短いほど価格は低く、逆に耐用年数が長いほど価格が高い傾向があります。
アクリル塗料
アクリル樹脂塗料の耐用年数は約5~8年です。低価格や発色の良さなどで広く使われましたが、汚れや耐久性に劣るため近年ではあまり使用されなくなりました。
ウレタン塗料
ウレタン樹脂塗料の耐用年数は約8~10年です。密着性に優れ、価格や耐久性、機能性などのバランスが良く、コストパフォーマンスに優れています。
シリコン塗料
シリコン樹脂塗料の耐用年数は約10~15年です。耐熱や耐候性に優れ、汚れや色落ちにも強いため、現在外壁塗装で主流になっている塗料です。
フッ素塗料
フッ素樹脂塗料の耐用年数は約15~20年です。高い耐久性があり、汚れが付着しにくい性質があるため、高層ビルなどで多く使用されてます。
無機塗料
一般的な塗料は、有機物を主成分とする樹脂を使用するため、有機塗料と呼ばれます。これに対して、無機塗料は、セラミックやケイ素などの無機物を配合して作る塗料です。
一般的に無機物は、有機物と異なり紫外線で劣化しないため、優れた耐久性を持っています。しかしながら、耐用年数は配合する有機塗料の耐用年数に準ずるため、約10~20年です。
特殊塗料
このほか、ピュアアクリル塗料、光触媒塗料などの特殊塗料も使用されることがあります。
ピュアアクリル塗料の耐用年数は約10~15年です。アクリル塗料の耐久性を改善した特殊な塗料で、フッ素と同等の耐久性を有します。
太陽光で汚れを分解し、雨水で汚れを流す特殊塗料として光触媒塗料があります。耐用年数は約10~13年ですが、日当たりの良さで効果に差が出ます。
吹付け?タイル張り?マンション外壁の仕上げ材を比較!
マンション外壁の代表的な仕上げとして、吹付け塗装とタイル張りとがありますが、どちらを選べば良いのでしょうか?それぞれのメリット、デメリットについて詳しく見ていきましょう。
新築時の費用は抑えられるが、メンテナンス費用のかかる吹付け
最近では、高級感のあるマンションの外壁にはタイルが使われることが多くなっていますが、以前は「吹付けタイル」が一般的でした。タイル張りに比べると新築時の費用が安くすむメリットがあります。
「吹付けタイル」とはタイルを使用するわけなく、あくまでもタイルのように見える塗料の吹付けによって仕上げるものです。
塗装したあとの表面がタイル表面に似て滑らかで水をよくはじくため、汚れが付着しにくいという特徴があります。また、さまざまな色が選べ、ローラー塗装で模様をつけることも可能です。
ただし、タイルに比べると汚れやカビが付着しやすい点がデメリットです。このため、定期的な塗り替えが必要となり、メンテナンスコストだけをみると、タイルよりも高くなる傾向にあります。
新築時は材料費が高いが、劣化しにくいタイル
タイル仕上げは、欧風のレンガを模したもので、高級感を演出することができます。焼成温度や方法、表面に塗る釉を変えることによってさまざまな色調や質感のタイルが作られています。
タイルは耐候性に優れているため、経年劣化によるメンテナンスがほとんど必要ありません。ただし、吹付けタイルに比べると材料費が高いため、新築時の費用がかさむ点がデメリットです。
なお、劣化しにくいタイルですが、タイルを固定するためのモルタルから染み出した石灰分が付着して白い汚れが現れたり、モルタルが劣化して剥がれることもあるため、このような場合にはメンテナンスが必要です。
マンション外壁の大規模修繕工事にかかる費用と施工期間の目安について
マンション外壁の大規模修繕工事を行う場合、施工内容によって費用はどの程度変わるのでしょうか?
1平方メートルあたりの施工費用の相場を見てみると、タイルや窯業系サイディングの場合は約4,000円から、リシン吹き付けの場合は約5,000円からとなっています。
また、マンションの外壁を補修する場合には、足場と養生シートの設置が欠かせませんので、これらの設置費用も含まれます。
足場と養生シートの設置費用については、足場が1平方メートルあたり約700円、養生シートは1平方メートルあたり約400円が相場となります。
一戸建て住宅の場合、下地の補修などは補修箇所の数によって費用が変わってきますが、マンションの場合は施工面積が広いため、一括で費用を計算することが多いようです。
施工期間についても、マンションの大きさによって約1カ月で完了する場合もあれば、約3か月かかる場合もありますので、見積りの際に施工期間についても確認をとっておくと良いでしょう。
マンション外壁修繕を行うとどのようなメリットがあるのか?
外壁の補修は、マンションの大規模修繕工事では特に頻繁に行われている工事になります。
これは、外壁の劣化や塗装の劣化によって水漏れやヒビが発生した場合に建物そのものの寿命を縮めてしまうからです。
定期的に外壁の修繕を行うことで雨漏りや劣化による建物の傷みを予防することができ、将来的な修繕コストの増加を抑えることができるでしょう。
また、外壁を補修することで建物の外観が良くなるのもメリットです。
マンションは建物そのものが大きいため、戸建て住宅と違い、定期的な外壁洗浄が難しく、経年劣化で汚れが蓄積していきます。
マンションの外壁修繕で注意することは?
マンションの外壁を修繕する際には、いくつか注意しなければいけないことがあります。
まず、施工期間中は足場と養生シートがマンション外周に設置されるため、日当たりが悪くなり、洗濯物等を干すのが難しくなるでしょう。
また、作業員が窓の外で作業を行うため、プライバシーの面でも注意が必要です。
作業員も施工会社から室内を覗かないよう教育は受けていますが、作業中に視界内に何か動くものが見えてしまうと、危険回避のためについそちらを確認してしまいます。
大規模修繕工事で外壁の補修を行う際には、管理組合等でこれらの注意点についてすりあわせを行い、入居者にも理解を求めておくと良いでしょう。
マンションの外壁修繕を行う目安
マンションの外壁がどのような状態になったら大規模修繕を行った方が良いのでしょうか?
分かりやすい目安としては、外壁材にひび割れが発生していたり、外壁に触れた際に白井粉状の汚れが付着するチョーキング減少が発生していたりした場合です。
また、入居者から水漏れの相談があった場合や、タイルやサイディングの目地にヒビ割れが見られる場合も補修のタイミングとなります。
しかし、マンションの大規模修繕工事では一戸建てのリフォームを行う場合と違い、管理組合での打ち合わせや施工会社の選定など、実際に施工を開始するまでの時間が長くなりがちです。
破損や劣化を見つけてから対応するとなると、被害がより拡大してしまう可能性が高いため、あらかじめ数年単位で予定を立てておき、劣化が深刻化する前にメンテナンスが施せるようにしておくと良いでしょう。
多世帯マンションの場合管理組合の力関係にも拠りますが、修繕積立金の未納や無関心世帯など非協力的な問題も多々起り、工事契約にいたるまでに大変な労力と時間を要す場合があります。
このような場合、費用は掛かりますが出来るだけ早めに信頼置けるコンサルタント会社に調整作業を依頼し、法的処置も含むマンション管理約款上での大規模修繕計画の位置づけを確立させることにより、劣化が深刻化する前にメンテナンスを施され不動産価値の低下を防ぐ最良の方法と言えます。
何年ごとに必要?マンション外壁の修繕工事
マンションの外壁修繕工事は、何年ごとに行うことが理想的なのでしょうか。
マンション外壁の劣化の進行は、建物の構造、立地条件、日常的な管理状態などによって異なりますが、一般的には、外壁塗装は12年周期が目安とされています。
これは、建築基準法において、築後10年を経過したタイル張りなどのマンション外壁は、3年以内に全面打診調査を行う必要があると定められていることが背景にあります。
なお、外壁塗装の周期は、国土交通省の標準的なマンションのメンテナンスについてのマニュアルでも、躯体修繕工事などと合わせ約10〜15年が一般的です。
しかし、12年周期だけを目安にするのではなく、それぞれのマンションで使用されている外壁材や塗料の耐用年数も考慮する必要があります。
外壁材ごとのメンテナンス周期の目安は、サイディングボードが約7~20年周期、モルタルなら約8~10年です。また、塗料の耐用年数はフッ素塗料の場合約15~20年、シリコン塗料の場合で約10~15年です。
外壁材自体の耐用年数はタイルやサイディングが約40年、モルタルが約30年と言われていますが、それよりもメンテンス周期が短いのは、目地や接合部分に充填するコーキング材の耐用年数が約10年と短いことにあります。
また、外壁に異常が見られた場合には、耐用年数を迎える前でも早くに補修や塗装を行い、劣化の進行を抑えることが大切です。
マンションオーナーが外壁リフォームを行うメリットについて
マンションのオーナーにとってマンションの外壁のリフォームを行うことはデメリットよりもメリットが大きいと言えるでしょう。ではどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
防水効果が高まり建物を保護してくれる
外壁の塗装やリフォームを行うのは見た目を美しく保つことだけが目的ではありません。塗料の塗膜によって耐久性を上げる役割も持っています。
塗料の塗膜が剥がれてきたり、劣化していた箇所をそのままにしておくと、外壁のつなぎ目や劣化箇所などから雨が侵入して雨漏りの原因になる場合もあります。
定期的な外壁塗装やリフォームは、建物自体を紫外線や雨風から守ることができるという大きなメリットがあるのです。
外壁リフォームに最適な時期は、前回の塗装で使った塗料の耐久年数を目安にします。
建築してから初めての塗装では、新築時に使用した塗料の耐久年数を参考にすると良いでしょう。
しかし一般的には築10年が目安だと言われています。
ただし、耐久年数はあくまでも一般的な数値であり、マンションの立地や方角によって耐久年数に差が出てきます。
外壁を触って、白い粉が手に付着するチョーキングという現象が見られるようであれば、塗膜(塗料の膜)が剥がれてきている証ですので塗り替え時期です。
また、外壁を観察して目地や壁面に1mm以上の幅の亀裂が目立つようになったときも塗り替え時期となります。
マンションの外観が良くなり入居率アップが期待できる
外壁を塗りなおすことで、外観の美しさを取り戻すことができます。
見栄えがよいマンションは、入居希望者からの印象も良いため、入居率のアップも期待できるでしょう。
このような側面から見てもリフォームによるメリットは大きいと言えます。
部屋の内装などの専有部分は入居者自身がリフォームを依頼することができます。
しかし、外壁は共有部分となり、入居者は勝手にリフォームできません。
そのため、内装よりも外装が入居率を大きく左右するといわれています。
また、きれいに塗装をしているマンションを見て、「定期的なメンテナンスを怠っていない」という良い印象を与えることもできるため、マンションに対する信頼性もアップするでしょう。
このような点も大きなメリットだと言えます。
マンションの外壁リフォームで人気の色
マンションの外壁塗装で人気の色は、ベージュやアイボリー、ブラウンなど周囲との調和を図いやすい定番色です。
塗料には「艶あり」と「艶なし」がありますが、マンションに求める雰囲気で選ぶとよいでしょう。
艶があれば高級感を出すことができます。反対に、艶がないマットな塗料を用いれば落ち着いたシックな印象を与えることが可能でしょう。
マンション外壁塗装のタイミング
マンションの外壁塗装は大掛かりな工事となるため、マンションオーナーにとっては頭の痛い問題でしょう。しかし外壁リフォームを行い美観がよくなれば入居率がアップすることも期待されるため、タイミングを見て行いましょう。
それでは、マンション塗装リフォームはどのタイミングで行うのがいいのでしょうか。
目安になるのは、外壁塗装を施した塗料の耐久年数です。塗料にも耐久年数があり、その年数を過ぎれば剥がれやすくなるなどの劣化が考えられます。
もう一つの目安となるのは、一般的に言われているマンション塗装のタイミングです。
マンションの外壁塗装は約8~10年が目安
マンション外壁塗装の塗り替え時期は、一般的に約8年~10年だと言われています。
塗料の耐久年数が10年を超える場合でも、塗料の持つ防水機能が弱まることが考えられるので、水漏れなどの問題が起こる前に外壁塗装を行うマンションのオーナーが多くいます。
ただし、立地条件によってはこのタイミングをもう少し遅らせることも考えられます。
国土交通省はマンションの改善の目安として、「改修するマンションの再生手法に関するマニュアル」のなかで、大規模な修繕は12年に一度は行うことを推奨しています。
外壁塗装のタイミングは立地条件やマンションの仕様を見ながら、一般的に言われている約10年という目安とあわせて検討することが大切です。
外壁の劣化症状でわかる塗り替えの目安
一般的に言われている外壁塗装のタイミングとは別に、外壁の状態によって外壁塗装が必要となるケースもあります。そこで、どのような症状が外壁塗装を必要とするのかを見ていきましょう。
塗膜の剥がれやヒビは外壁塗装のサイン
塗装の剥がれやヒビ、色あせなどを見つけたら、早急に外壁塗装を検討しましょう。
塗料の剥がれは、最初は小さくてもそこから少しずつ大きくなっていきます。放っておくと大規模な外壁塗装をしなくてはならなくなるため、外壁の劣化を発見したらすぐに修繕をしましょう。
チョーキング
壁が汚れていないのに白い粉のようなものが吹いていたら、それはチョーキングと呼ばれる症状です。チョーキングは紫外線や熱、雨などの自然現象による塗装の表面樹脂が劣化したために起こる現象です。
チョーキングは塗装面が劣化している証拠ですから、外壁塗装を検討するサインです。
屋上防水は10年に一度が目安
屋上防水のリフォームは10年に一度が目安です。屋上防水を怠ると、雨漏れや目地が割れるなどの劣化を招き、大規模な修繕を強いられることになります。
定期的な点検をして目地割れなどの劣化箇所を見つけたら、屋上の防水リフォームを検討しましょう。
鉄部塗装は5年に一度が目安
手すりなどに使われている鉄部はサビが発生しやすいため、鉄部の塗装リフォームのタイミングは短くなり、目安は5年に一度です。
鉄部にサビが見つからなくても、塗膜の浮きや剥がれなどが見つかった場合もすぐに対処するようにして、サビにならないように努めます。
共用廊下は10年に1度が目安
マンションの共有部分である廊下や、床、天井などの塗装の目安は、10年に一度です。しかし、定期点検で塗装の剥がれや浮きなどの劣化症状を見つけた場合には、10年以内でも状態が悪くなる前に対応することが大切です。
マンションの外壁リフォームにかかる費用や期間・工程について
戸建て住宅と違い、規模の大きなマンションでは外壁塗装にかかる費用が大きくなります。
計画性をもって資金の準備にあたらなければいけません。
また、居住者の負担を考え、塗装の期間や時期もしっかりと考慮して工事を進めなければいけませんので、事前に大まかな費用と工期を把握しておくことが必要です。
マンションの外壁塗装にかかる費用の相場
マンションの外壁塗装のおおよその費用は、「外壁の面積×塗料1平方メートルあたりの価格」で算出できます。(塗料の価格については後述します)
リフォーム会社では、図面や実測から外壁面積を計算し正確な数値を導いて見積りを作りますが、概算費用を知りたいだけなら、「延べ床面積」から外壁面積を求める計算式でおおよその外壁面積を求めることができるでしょう。
延べ床面積から外壁の面積を求める方法
延べ床面積とは、すべての階の床面積の合計です。5階建てのマンションで各階の床面積がそれぞれ100平方メートルならば、延べ床面積は「500平方メートル」となります。
※坪数しかわからないときは、坪数×3.31で面積を求めてください。
【外壁面積の計算式】
- 延べ床面積 × 1.1~1.4(係数)
係数はリフォーム会社によって数値が異なりますが、延べ床面積が小さいマンションであれば小さい係数を掛けた方が実測値に近い値になるでしょう。
マンションの外壁塗装の工期の目安
50戸未満のマンションであれば、約1カ月~2カ月。50戸以上のマンションなら約2カ月~3カ月を工事期間の目安にしましょう。タワーマンションなど大規模マンションの場合は半年近くかかることも。
塗装工事は天候に左右されやすい工事ですから、雨の多い季節や台風が多い季節では予定していた工期が延びる可能性があります。タイトな工程を組まず、余裕を持った工期をみておきましょう。
外壁塗装の工程
外壁塗装完了までの工程は一般的に以下の通りです。
- 足場設置
高所での作業のために金属製の足場を組みます。足場にはネットをかけて塗料の飛散を防ぎます。 - 洗浄
きれいに塗るために外壁の汚れを洗浄します。剥がれかけた塗膜を落とすためにも高圧洗浄が用いられます。 - 養生
窓や雨どいなど塗装しない部分を養生シートやビニールで覆います。 - 下地処理および補修
外壁自体のひび割れや金属部分のサビなどの補修の工程です。目地に充填してあるコーキングが痩せていればこの時点で打ち替えします。 - 下塗り
塗料の密着性を高めるために下塗り材を全体に塗布する工程です。 - 中塗り・上塗り
塗料を2回に分けて塗る本塗りの工程です。軒天や雨戸など外壁に付帯する部分も一緒に塗ります。 - 足場解体
塗装工事が終わり、最終チェックが終了したら足場を解体します。
マンションの外壁塗装で使われる塗料の種類
マンションの外壁塗装に使う塗料にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が違います。
また、選ぶ塗料によって価格や耐久性が変わりますので、マンションの外壁塗装を考えるときには塗料についても慎重に検討しなければいけません。
塗料の種類 | 単価相場 | 耐久年数(目安) | 特徴 |
---|---|---|---|
アクリル塗料 | 約1,400円~1,600円 | 約5年~7年 | 弾性あり 外壁のひび割れに強い 耐久性、防汚性に劣る 近年はあまり使われない |
ウレタン塗料 | 約1,500円~2,000円 | 約8年~10年 | やわらかく塗膜が厚い 耐候性に劣る 近年はあまり使われない |
シリコン塗料 | 約2,300円~3,000円 | 約10年~13年 | 外壁塗装のスタンダード 耐久性に優れる 汚れにくい |
フッ素塗料 | 約3,800円~5,000円 | 約15年~20年 | 耐候性に優れる 耐久性が高い 価格が高い 高層ビルに採用される |
光触媒塗料 | 約4,500円~5,500円 | 約15年~20年 | 雨で汚れが落ちる 価格が高い 防カビ・防藻効果が高い 日陰では効果が落ちる |
※価格相場は、1平方メートルあたりの単価です。
マンションの外壁リフォームで気をつけたいこと
メリットが大きいマンションの外壁塗装ですが、いくつかのデメリットもあります。
住人にとってもデメリットとなりますので、リフォームを行うときには居住者に周知徹底することが大切です。
音がうるさい
外壁リフォームや塗装の際には、足場を組んで作業を行います。
足場は金属製のため組むときには大きな音が出ます。
また、塗装中でも職人の歩く音や声などが響きますので、塗装期間中に出る騒音に対する理解を得ることが大切です。
洗濯物が干せない
足場にネットをかけて塗装を行いますが、吹き付け塗装などでは塗料が洗濯物に付着する恐れがありますので、工事期間中は洗濯物を外に干せません。
また、ネットや足場があるため窓から外を眺めることもできなくなります。
そのためストレスに感じてしまう居住者もいるでしょう。
他にも足場を使った外部からの侵入などの防犯面での不安や、窓の開閉などが制限されます。
外壁リフォーム中に住人が快適に過ごすためにできること
マンションの外壁塗装を行うとき、居住者には必ず不便が伴います。
管理会社を通して遅くとも10日前までには工期や工事内容の告知を完了させしましょう。
しかし、なるべく早く告知して理解を得ておくことが後々のトラブルを引き起こさないためにも大切です。
また、具体的な工事の時間帯や、休日工事の有無などを事前にしっかりと告知し、住民が工事の時間帯に合わせて外出するなどの対策ができるようにしておくのも有効です。
騒音対策用のヘッドフォンの使用を促すなど、居住者に対してできる限りの配慮を行いましょう。
マンションの外壁リフォームに最適なリフォーム会社の選び方
規模が大きなマンションの外壁リフォームは、リフォーム会社選びが成功の鍵を握っているとも言えるでしょう。
オーナー側も居住者も満足度の高いリフォームを実現するために、最適なリフォーム会社選びのポイントをおさえておきましょう。
マンションリフォームの実績が豊富であること
戸建てと違い、工事に制約が多く足場の種類も特殊なマンション塗装では、マンションの塗装に対して実績が豊富なリフォーム会社を選びましょう。
マンションリフォームやマンションの外壁塗装を専門とする会社もありますので、ホームページなどを利用して各業者のこれまでの工事実績や得意分野をチェックすると良いでしょう。
塗料についての説明や工程の説明が丁寧であること
マンションの外壁リフォームでは、塗料の種類によって価格や塗装の耐久性が大きく変わります。
そのため、各塗料の知識をしっかりと持ち、適した施工を行える業者に依頼することが大切です。
塗料や工程について誠実にしっかりとした説明ができる業者なら、信頼できるリフォーム会社である可能性が高くなるでしょう。
また、疑問点は業者に直接質問し、すべて納得した上でリフォーム会社を決めることも大切です。
見積りは数社に依頼する
リフォームの際には必ず複数社に見積りを依頼して「相見積り」を取りましょう。
そして、見積りを依頼する際に「相見積りであること」をリフォーム会社に伝えるようにします。
そうすることによって他社を意識し、適正な価格や工事内容を提案してもらえるようになるでしょう。
また、極端に価格が高い、低いなど、適正な相場から離れている業者も見分けることができます。
大規模修繕工事の発注方式とは?
マンションの外壁リフォームは大規模修繕工事として扱われます。
大規模修繕工事とは、マンションの経年劣化により資産価値が低くならないように、定期的に行われる修繕および改修が伴うこともある工事のことです。工事の規模が大きく費用がかかり、さらに工期が長い工事のことを特に大規模修繕工事と呼びます。
大規模修繕工事には外壁リフォームはもちろんのこと、屋外防水工事や鉄部塗装リフォーム、さらには配管工事などが挙げられます。
ところでマンションの外壁リフォームをする場合には、どのような手順で行われるのでしょうか。その発注方式を解説します。
4つの発注方式
マンションの外壁塗装リフォームには主に次の四つの発注方式があります。
- 責任施工方式
- 設計監理方式
- CM方式
- プロポーザル方式
それでは各方式の概要と、メリット・デメリットを見ていきましょう。
「責任施工方式」とは業者に設計・工事を委託
「責任施工方式」とは外壁リフォームの一切を大規模修繕工事が行える業者に委託して進める方式です。マンションを管理している業者に委託する場合でも「責任施工方式」と呼ばれ、普段の管理を行っている会社に委託するので信頼関係が築かれていることもあり、安心してリフォームを任せられるメリットがあります。
ただし、施工内容での食い違い、費用面で折り合えないといった問題が起こりやすいというデメリットもあります。
「設計監理方式」は設計管理会社と施工業者が別
「設計監理方式」とは外壁リフォームの工事監理や設計、業者選びを建築士などが在籍する建築設計事務所が行い、工事の施工は別業者が務める方式です。
この方式のメリットは、設計事務所が第三者として介入するため、外壁リフォームが依頼通りに正しく行われるのかをチェックするため、よりよいリフォームを期待できるところです。
ただし設計事務所と施工業者との癒着などが原因で、思ったほどの成果が得られなかったというケースもあることから、信頼できる設計事務所を選ぶことが重要です。
「CM方式」は代行業者が工事を管理
「CM方式」とは外壁リフォームを大規模修繕工事のマネージメントができる代行業者に委託して、その代行業者が設計や施工などの各段階において適切な業者を選びリフォームを進める方式です。
工事のマネージメントに慣れている代行業者だからこそ、適切な業者を選ぶことができ、さらに適正価格によってリフォームができるというメリットがあります。
しかし代行業者の腕次第でリフォームの仕上がりや予算も左右されるため、適切な代行業者を選ぶことが大切になります。
なお、「CM方式」とは「コンストラクション・マネージメント方式」の頭文字を取った名称です。
「プロポーザル方式」は業者に要望書を提出
「プロポーザル方式」とは、外壁リフォームを依頼する発注者が、大規模修繕工事を行える複数の業者に修繕の依頼書を提出します。その返答をもとにどの業者に修繕を依頼するのかを検討する方式です。
施工内容から見積もりまで比較することができるため、依頼内容や条件に合った業者を選ぶのに適しています。
しかし、各社から提案される工事内容や仕様が全て異なるため、どれが最適なのか判断するのが難しいという一面があります。
業者を選ぶのに時間がかかるというデメリットがあるため、時間的に余裕を持って取り組む必要があるでしょう。
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