2025年02月18日更新

監修記事

屋根の軽量化で建物の耐震性はあがる?地震対策を検討中なら必見!

地震の被害に遭った地域の映像では、よく瓦が屋根から落ちている様子が映し出されます。そのような映像を見ると「うちの屋根は大丈夫かな」と不安に思う人も多いはずです。そこでこの記事では、屋根の耐震性を高める方法について解説します。どのような方法なら屋根の耐震性が高められるのかチェックして、大きな地震への備えをしておきましょう。

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屋根の耐震性を高める方法

屋根の耐震性を高めるには、重量の軽い屋根材に葺き替えるなどの方法があります。

屋根の耐震性を高める方法
  • 重量の軽い屋根材に葺き替える
  • 建物の柱や壁を増やす
  • 建物の補強工事をする

ここでは、屋根の耐震性を高める方法を理解して、リフォームの方法を検討しましょう。

【方法1】重量の軽い屋根材に葺き替える

瓦屋根などの重量の重い屋根材から、金属屋根などの軽い屋根材に葺き替えることで、屋根の耐震性を高められるでしょう。

建築基準法の屋根重量区分では、金属屋根は瓦屋根の約10分の1ほどの軽さと定義されています。

屋根材ごとの重さの比較
金属屋根
約5kg / ㎡
スレート屋根
約20kg / ㎡
瓦屋根
約42kg / ㎡

そのように軽い屋根材に葺き替えると、柱や壁にかかる負担を軽減できるなどの理由で、屋根の耐震性の向上が期待できます。

【方法2】建物の柱や壁を増やす

屋根を支える建物の柱や壁を増やすことで、屋根を支える力が強まり、耐震性の向上が期待できます。

とくに重量が重い瓦屋根では、屋根を支える力が弱いと、地震の際に崩れてしまうおそれもあります。

そのため、重い屋根でも支えられるような強度にするためには、建物の柱や壁を増やす方法も有効です。

【方法3】建物の補強工事をする

建物の柱や壁に補強金具を取り付けるなどのリフォームによって、屋根を支える力が向上し、屋根の耐震性の向上も期待できます。

建物の補強工事の方法
  • 柱や壁に補強金具を取り付ける
  • 壁に筋交いを追加する
  • 既存の基礎の外側にコンクリートを打つ

このような建物の補強工事は、建築士などの専門資格をもつプロによる設計や診断が必要です。

屋根の耐震性を向上させるには、建物のどのような箇所に補強が必要であるかを、プロに判断してもらいましょう。

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屋根の耐震性を高めるメリット

屋根の耐震性を高めることで、地震による被害の軽減が期待できるなどのメリットを得られます。

ここでは屋根の耐震性を高めるメリットについてチェックして、屋根の耐震リフォームがなぜ必要なのかを理解しておきましょう。

【メリット1】地震による被害の軽減が期待できる

屋根の耐震性を高めることで、屋根の崩れといった地震による被害が起きるリスクを軽減する効果も期待できます。

屋根が重い建物の場合、地震が起きた際に、重い屋根を支える柱や壁に負担がかかってしまいます。

建物の柱や壁への負担が大きくなると、地震の揺れによって柱などが破損や割れを起こし、屋根が崩れてしまうかもしれません。

しかし、屋根の軽量化によって耐震性を高めておけば、建物の柱などへの負担を軽減できるため、地震による被害の軽減が期待できるでしょう。

【メリット2】屋根材によっては屋根のメンテナンスコストを抑えられる

屋根の耐震リフォームで、耐久性の高い屋根材を採用すれば、屋根のメンテナンスにかかる費用を抑えやすい傾向にあります。

たとえば、ニチハの横暖ルーフα プレミアムSという屋根材は、耐久性の高さが魅力の商品で、穴あき25年・変色20年・塗膜20年・赤サビ20年の保証が用意されています。

そのため、屋根材が腐食などの劣化を起こしにくいだけでなく、メンテナンスにかかる費用もサポートしてもらえるのが魅力です。

もし屋根を葺き替えるなら、耐震性の向上とあわせて、メンテナンスコストの節約ができないか検討してみましょう。

【メリット3】建物の資産価値を維持しやすい

屋根の耐震性を高めることで、地震による被害の軽減が期待できるため、建物の資産価値を維持しやすいのもメリットです。

地震による建物への被害が軽減できる構造になっていれば、家族の身や建物内の資産を守ることもできるため、安心感のある生活を送れるでしょう。

そのため、屋根の耐震性が高いと資産価値を維持しやすく、売却を考えた際に買い手が見つかりやすい傾向にあります。

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屋根の耐震リフォームを検討する際の注意点

屋根の耐震リフォームを検討する際には、リフォーム後に断熱性・遮音性が低下することもあるなどの点に注意しなければいけません。

ここでは屋根の耐震リフォームを検討する際の注意点について学び「屋根からの雨音が響く」などのトラブルを回避しましょう。

【注意点1】工事範囲が建物全体に及ぶ場合もある

屋根の耐震性を向上させるには、柱や壁を増やすなどの工事も必要な場合もあるため、工事範囲が建物全体に及ぶかもしれません。

工事範囲が建物全体に及ぶと、屋根の耐震リフォームのみおこなう場合よりも、費用が高額になる傾向にあります。

そのため、屋根の耐震リフォームで設定していた予算をオーバーしていないか、あらかじめ業者の見積もりで確かめておくことが大切です。

【注意点2】リフォーム後に断熱性が低下することもある

屋根の耐震リフォームで、軽量な屋根材に葺き替えた場合、リフォーム後に屋根の断熱性が低下することもあります。

たとえば、既存の屋根に瓦を使っていた場合。瓦は断熱性にすぐれている屋根材で、熱を吸収して、建物に伝わる熱を軽減してくれます。

そのため、瓦よりも断熱性の低い屋根材に葺き替えると、建物が外気温の影響を受けやすくなってしまうかもしれません。

もし屋根の耐震リフォームの後でも、屋根の断熱性を高めたい場合は、断熱性が高い屋根材の採用を検討してみましょう。

【注意点3】アスベストを含む屋根は撤去費用が高額になる

耐震リフォームで屋根材を葺き替える際、既存の屋根材がアスベストを含んでいると、撤去費用が高額になるかもしれません。

アスベストとは、繊維状の天然鉱物のことをいいます。

以前はアスベストを建物における建材の素材として使っていたものの、肺がんなどを引き起こすとして、2006年9月1日に建物の建材などへの使用が禁止されました。

そのように危険な素材であるアスベストは、使用が禁止される以前に建築された建物においては、現在でも屋根などに含まれている場合があります。

もし既存の屋根にアスベストが含まれているなら、解体の際に、専門資格をもつプロによる処分などが必要になるため、費用が高額になってしまう場合もある点に注意しましょう。

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屋根の耐震リフォームにかかる費用

屋根の耐震リフォームにかかる費用は、重量の軽い屋根材に葺き替える場合で100万〜150万円が目安です。

リフォーム内容費用相場
(30坪の建物の場合)
重量の軽い屋根材に葺き替える100万〜150万円
建物の柱や壁を増やす100万〜150万円
建物の補強工事をする50万〜170万円

ただし屋根の耐震リフォームにかかる費用は、リフォームで使用する屋根材や部材の種類などによっても大きく変動します。

そのため、屋根の耐震リフォームにかかる具体的な金額は、業者の見積もりで確かめましょう。

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屋根の耐震リフォームで活用できる補助金・助成金制度

国や自治体における補助金・助成金制度のなかには、長期優良住宅化リフォーム推進事業など、屋根の耐震リフォームでも活用できる制度もあります。

屋根の耐震リフォームで活用できる補助金・助成金制度
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • 子育てエコホーム支援事業
  • 既存住宅における断熱リフォーム支援事業

ただし補助金・助成金制度ごとに、交付条件などが定められているため、補助金・助成金を受け取るには、条件を満たさなければいけません。

そのため、屋根の耐震リフォームで補助金・助成金制度を活用するなら、制度ごとの交付条件などをあらかじめ確かめておくことが大切です。

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屋根の耐震性向上が期待できるリフォーム事例

軽量な屋根材への葺き替えなど、屋根の耐震性の向上が期待できるリフォーム事例を紹介します。

どのようなリフォームで屋根の耐震性の向上をはかったのか、実際のリフォーム事例でチェックしてみましょう。

【事例1】瓦から金属屋根に葺き替え

瓦から金属屋根に葺き替える前
before
瓦から金属屋根に葺き替えた屋根
after

瓦から金属屋根に葺き替え

リフォーム費用約200万円
工期1か月
建物タイプ一戸建て
施工箇所屋根
商品名
(メーカー名)
スーパーガルテクト
(アイジー工業)

「建物が古くなってきて、耐震性が心配なので見てほしい」とご相談があった、一戸建てにおけるリフォームの施工事例です。

既存の屋根は瓦を使っていたため、軽量な金属屋根への葺き替えを提案しました。

【事例2】屋根の軽量化で耐震性アップ

屋根の軽量化で耐震性をアップさせる前
before
屋根を軽量化した後
after

屋根の軽量化で耐震性アップ

リフォーム費用約300万円
工期1か月
建物タイプ一戸建て
施工箇所屋根
商品名
(メーカー名)
スーパーガルテクト
(アイジー工業)

「瓦屋根が古くなり、地震の被害に遭わないか心配」とご相談があった、一戸建てにおける屋根のリフォームの施工事例です。

古くなった瓦は撤去し、軽量な金属屋根に葺き替えることで、屋根の耐震性の向上をはかりました。

【事例3】和瓦から軽量瓦に葺き替え

和瓦から軽量瓦に葺き替える前
before
和瓦から軽量瓦に葺き替えた屋根
after

和瓦から軽量瓦に葺き替え

リフォーム費用約100万円
工期2週間
建物タイプ一戸建て
施工箇所屋根
商品名
(メーカー名)
ROOGA
(ケイミュー)

「雨漏りと耐震が不安なため、雰囲気は変えずに軽い屋根にしたい」とご依頼があった、屋根のリフォームの施工事例です。

屋根の耐震性を向上させるために、従来の和瓦から重さが約2分の1になる、ケイミュー・ROOGAへの葺き替えを提案しました。

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屋根の耐震性向上が期待できるおすすめの屋根材

屋根の耐震性を向上させたい場合は、ガルバリウム鋼板などの屋根材がおすすめです。

ここでは屋根の耐震性向上が期待できるおすすめの屋根材をチェックして、リフォームで採用する屋根材を検討してみましょう。

【おすすめ1】ガルバリウム鋼板

屋根の耐震性を向上させるなら、軽量で耐久性が高いガルバリウム鋼板を使用するのもおすすめです。

ガルバリウム鋼板とは、ガルバリウムという合金で覆われた金属鋼板のことをいいます。

ガルバリウム鋼板は、瓦の約10分の1の軽さであるため、屋根全体の軽量化が実現できるでしょう。

また、耐用年数も25〜35年と長いため、ガルバリウム鋼板を屋根材として採用すれば、屋根のメンテナンスにかかる費用を抑えられるのが魅力です。

【おすすめ2】アスファルトシングル屋根

屋根の耐震性を向上させるリフォームでは、ガルバリウム鋼板についで軽量な屋根材である、アスファルトシングル屋根を使用するのもおすすめです。

アスファルトシングル屋根とは、ガラス繊維にアスファルトを浸透させた屋根材のことをいいます。

アスファルトシングル屋根は、シート状の屋根材で、やわらかく軽量であるため、屋根の軽量化が実現できます。

ただし、薄いシート状の屋根材であるがゆえ、定期的にメンテナンスをしていないと、強風で飛ばされるリスクもある点に注意しなければいけません。

【おすすめ3】スレート屋根

スレート屋根は、ガルバリウム鋼板やアスファルトシングル屋根の次に軽量な屋根材であるため、屋根の耐震性を向上させたい場合の屋根材としておすすめです。

スレート屋根とは、セメントを主成分とする板状の屋根材のことをいいます。

デザインや色が豊富なスレート屋根は、建物の意匠性の向上も期待できるため「耐震性と意匠性のどちらも求めたい」という場合に適した屋根材です。

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【Q&A】屋根の耐震リフォームに関するよくある質問

瓦屋根は地震に弱い?

瓦屋根が地震に弱いというわけではありません。瓦屋根を支えられる建物の強度を確保すれば、瓦屋根であっても地震の被害を軽減できる場合もあります。ただし、瓦屋根は、瓦の落下などによって地震の被害がでてしまうおそれもあります。そのため「瓦の落下などの被害を防ぎたい」という場合は、落下のリスクを軽減できる金属製の屋根などにリフォームするのがおすすめです。

瓦屋根以外で耐震性の低い屋根材は?

金属や化粧スレートなどの瓦以外の屋根材は、瓦よりも軽量であるため、耐震性も高い傾向にあります。そのため、瓦屋根から軽量な屋根材にリフォームすることで、耐震性の向上が期待できます。

屋根の耐震リフォームを検討する際は事前調査や耐震診断をしたほうがいい?

屋根の耐震リフォームを検討する際は、事前調査や耐震診断をもとに、耐震リフォームの内容を決めるのがおすすめです。既存の建物における耐震性や構造を理解することで、どのようなリフォームが必要なのかを理解できます。業者に屋根も含めた建物の事前調査・耐震診断を依頼し、屋根の耐震リフォームの内容を検討しましょう。

屋根に太陽光パネルを搭載すると建物の耐震性が低下するの?

屋根に太陽光パネルを搭載すると、屋根の重量が増すため、建物の耐震性が低下する場合もあります。そのため、建物の耐震性に不安がある場合は、太陽光パネルを搭載した後の建物の耐震性について検討しておくことが大切です。

屋根は重いほうが、耐震性が高い?

屋根は重いほうが建物の耐震性も低い傾向にあるため、建物の耐震性を向上させたい場合は、軽い屋根材に変えるなどのリフォームが必要です。建物が受ける地震の力を求める「地震力」の計算では、建物が受ける地震のパワーを、建物の重量と地震の揺れの大きさで求めます。

地震力の計算方法

地震力=建物の重量×地震の揺れの大きさ(水平震度)

地震力は建物の重量が増えるほどに大きくなるため、屋根が重く、全体の重量が重い建物では、地震の揺れによるダメージを受けやすくなるでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】有限会社 鈴木商事 鈴木昭吉郎

有限会社 鈴木商事

鈴木昭吉郎

北越高校商業科卒業後民間企業に就職。その後、家業継承の為県外にて修行。終了後帰省し継承6年後法人格に改名現在に至る。

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